いよいよ2018年も最終戦。アブダビGP開幕前日となった木曜日のヤス・マリーナ・サーキットで行われたFIA会見は、2部構成で、しかも豪華なメンバーが集った。
第1部はルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)という新旧の王者と、来年F1にデビューするジョージ・ラッセル(2019年ウイリアムズ)とランド・ノリス(2019年マクラーレン)のふたりの若手だ。
レースドライバー以外が木曜日の会見に出席するのは極めて異例なこと。F1側の期待が見て取れるが、この会見で主役を張ったのは、もちろん、このレースが事実上の引退レースとなる。アロンソだった。通常の会見では主役になるはずのハミルトンも、この日は脇役に回るほど、記者からの質問はアロンソに集中した。その中のひとつが次のような質問だった。
「みんなは『今回が引退レース』だと言うが、公式にはあなたは引退という言葉は使っていない。ラウダやプロストのようにカムバックする予定はあるのか?」
アロンソはこう答えた。
「現時点では復帰はかなり難しいだろうね。でも、僕は扉を閉じてはいない。その理由は、F1を離れた後に僕がどのような気持ちになるのか、現時点では自分でもまだわからないからだ。というのも、僕は人生のほとんどの時間をF1に捧げてきたからね。だから、来年にならないとわからない」
こんな質問も飛んだ。
「フェルナンド、あなたがこれまでレースしてきた中で、最も手強かったドライバーはだれですか?」
隣に座っているハミルトンが見つめる中、アロンソはこう答えた。
「ひとりを選ぶのは難しいけど、選ぶとしたらやっぱりマイケル(・シューマッハ)かな。僕がレースを始めたとき、この世界を支配していたのがマイケルだったからだよ。カート時代からF1に入ってきてからもそう。常にマイケルがF1で輝いていた。そのマイケルとF1でやりあったバトルは僕にとっては特別なものだった。もちろん、その後も僕はいろんなドライバーと戦い、彼らもまた素晴らしい才能を持っていたけど、個人的な感情としてはマイケルが一番だった」
続いて、開かれた第2部も、ある意味豪華なメンバーだった。それは前戦ブラジルGPで接触事故を起こしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とエステバン・オコン(フォース・インディア)がフェラーリのふたりとともに登場したからだ。フェラーリのふたりが中央に座ったが、この会見での主役は両脇に座ったフェルスタッペンとオコンだった。