まずフェルスタッペンに対して、「もう一度同じ状況となったら、どうするのか?」という質問が。フェルスタッペンは次のように即答した。
「何も変えるつもりはない。僕はレースリーダーのルイス(・ハミルトン)を抜いて、あとはタイヤをマネージメントするために、クルージングしていた。そこにピットアウトしてフレッシュタイヤを履いたドライバーがやってきて……。確かにあの2周はフォース・インディアのほうが僕よりも速かったと思うけど、でも僕はプッシュしていたわけじゃないし、2周も走れば、フレッシュタイヤのおいしいところは終わっているので、そのあとはおとなしく後ろにとどまるのが普通だと思うよ」
さらにオコンを小突いた件についてはこう説明した。
「僕は謝罪を求めていたのに、違う反応が返ってきた。そういう態度をされれば、感情的にもなるよ。しかも僕は勝利を失ったんだよ。それを考えれば、僕はすごく冷静だったと思う。相手を押すぐらいはどんなスポーツでもある。2日前に見たサッカーでもあった」
「2位にしてくれてありがとうと、握手でもしたら、それこそ笑い者だよね。みんなは車検室でどんな言葉が交わされたか知らない。そして、僕が彼を押してるところを見ただけで判断している。会話の内容を知ったら、ちょっとみんなも変わると思うよ。僕らはロボットじゃない。感情があるんだ!!」
それを聞いていたオコンは、こう語った。
「レースリーダーと事故を起こすなんて、いいものじゃない。彼は素晴らしい走りでレースを勝とうとしていた。本当に申し訳ない。でも、僕にも言わせてほしい。僕はあのとき、10位集団の後方にいた。彼らが何かあれば、ポイントも狙えた。だから、ピットストップあとが勝負だった。ところが、ピットストップで時間を失っていたんだ」
「それでマックス(・フェルスタッペン)の後ろでコースに戻った。しかも、僕の方が速くて(フェルスタッペンに)青旗が振られていた。それで無線でチームに抜いていいかどうかも確認したんだよ。でも、振り返っても、結果は変わらない。いまは前を向くしか……」
このふたりの一件に関して、意見を求められたセバスチャン・ベッテルは、ちょっと困った顔をしたものの、フェルスタッペンを次のように擁護した。
「僕も経験があるから、言わせてもらうと、僕らは感情を持った人間で、感情というのはどっちにも転ぶということだ。いいほうに転べは喜びになるし、逆に転べば不機嫌になる。そして、その感情もこのスポーツの一部だということだよ」