事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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F1メキシコGPの開催継続に向けた試みは不調に終わったようだ。地元主催者はフォーミュラワン・マネジメント(FOM)から、2020年シーズンのカレンダーに残るために新たな後援者を探すための期間を猶予してもらっていたものの、レース維持は難しいとの見方を示した。
メキシコGP主催者であるCIE(コルポラシオン・インテルアメリカーナ・デ・エントレテニミエント)の広報担当者は、地元のESPN提携メディアに対して、新たに当選したアンドレス・ロペス・オブラドール大統領が今後F1には補助金を投じないと発言した後に、メキシコ政府との交渉が決裂したと述べた。
メキシコGP開催のためには、過去5年間で3700万ドル(約40.89億円)の費用が支払われてきた。メキシコの人々がさらに1年間レースを地元に残しておけるかもしれない唯一のチャンスは、来年4月に予定されているベトナムGPまでにハノイ市がコース整備を終えられない場合だ。
F1のCEOであるチェイス・キャリーが来年もレース数を21のまま変更しないと表明しているため、ベトナムGPが開催されない場合は、メキシコがあと1年これまでよりもはるかに少額の開催料で開催することになる。
そうならないかぎり、F1は最も人気の高いレースのひとつを失うことになるだろう。アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスのグランドスタンドは常に満席で、メキシコGPはパドックで働く人たちによる投票でも一貫して年間ベストレースに選ばれ続けてきた。
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