4月29〜30日にイタリアのモンツァで行われたWTCC世界ツーリングカー選手権第2戦。ホンダ・シビックWTCCをドライブした道上龍は、30日の決勝レースではエンジンのトラブルによって悔しいレースとなってしまった。
モロッコのマラケシュで行われた第1戦に続き、道上にとってフル参戦2戦目となったモンツァでのレース。ただ、予選では「FP1からクルマの調子が良くて、流れでいけるとは思っていたんですが、気温が上がってからのタイムの上げ方がうまくいってなかったのかもしれない」と11番手となり、オープニングレース、メインレースとも同じグリッドからのスタートとなっていた。
WTCCはタイヤの使い方や熱の入れ方が非常に重要となっており、レースでは上位を狙いながらも、道上にとっては「ちゃんと走りきりたい」貴重なロングランの機会ではあった。しかし、オープニングレースに臨もうという道上に、思わぬトラブルが起きた。
道上はグリッドへ向かう走行の際に、エンジンにトラブルがあることを感じ取る。チームはECUを交換したり、プラグコードを交換したりと対策を施すものの、結果的に症状は同じ。「僕の経験上、一気筒ダメだろうと感じた」という状況で、残念ながらオープニングレースはほぼ走れないまま終了してしまった。
チームは続くメインレースまでのわずかな間で、プラグを替えたりと対策を施す。その結果、エンジンは息を吹き返し、道上はグリッドに向かったが、今度はステアリングホイールのメーターに不具合が起きてしまう。チームはステアリングごと交換しようとしたが、もともと道上の腕の長さに合わせてボスを入れているステアリング。交換するとまともなドライビングポジションが取れなくなってしまう。
「『直らなかったらこれでいくしかない』と言われたんだけど、運転できない方がイヤだった」という道上の要望にチームは応え、なんとかステアリングを修復。これでようやくメインレースのスタートを切ることができた。