2018年、F1直下のカテゴリーFIA F2には2人の日本人ドライバーがF1昇格を目指して挑む。昨年のチャンピオンチームであるロシアンタイムのシートを手にした牧野任祐はランキング3位以上、レッドブルのクリスチャン・ホーナーとその父がオーナーを務めるアーデンから参戦する福住仁嶺はランキング4位以上でスーパーライセンス取得の資格が得られる。
今季から新車が導入されて勢力図がシャッフルされ、F1チームとの育成関係を持つ有力ドライバーも多数参戦するなど、かつてないほど激しい戦いが予想される中、彼らの真価が試されることになる。
開幕前テストでは多発したエンジントラブルの影響もあって真の勢力図が見えないままバーレーンの開幕ラウンドを迎えることになったが、日本人ドライバー2人にとっては運に翻弄されて実力を発揮しきれないままのレース週末となってしまった。
予選で7位に飛び込んだ福住は、レース1では好スタートを決めて4位に浮上し表彰台を争う快走を見せた。しかしDRSが閉じなくなるトラブルに見舞われ余計なピットストップを強いられて大きく後退。レース前半はペースを抑えて走ってミディアムタイヤを長く保たせ、レース終盤にソフトタイヤで猛攻を仕掛ける戦略は実行に移す前に終わってしまった。
「初めてのF2にしてはスタートは良かったと思います。その後のタイヤマネージメントはどのくらい飛ばして良いか分からないから探り探りで走りながらちょっとずつ学んでいって、そのせいで抜かれてしまったりもしたんですけど」と福住。
「僕もプッシュすることはできたけどレースは長いから焦らずタイヤを使わないことを意識して、学んだことを第2スティントのソフトタイヤで行かそうと思っていて、勝負は最後の最後5周くらいだと思って抑えていたんです」
「そうしたら急にリアのトラクションがなくなり、ブレーキングでもスタビリティがなくなったと思ったら、DRSが開いたままになっていて……それが全てでした」