南米大陸最高峰のツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの2020年第7戦が10月17~18日にヴェロチッタで開催され、土曜日のレース1をフリオ・カンポス(クラウン・レーシング)が、日曜レース2をディエゴ・ヌネス(ブラウ・モータースポーツ)が制し、前半戦は不振の続いていたシボレー・クルーズ勢が今季初の週末完全制覇を達成した。また、2020年からSCBにフル参戦を開始した隣国アルゼンチンのスタードライバー、マティアス・ロッシも日曜に2位を記録し、自身初表彰台を得ている。
10月初旬に開催されたカスカバルでのダブルヘッダー戦を経て、30分間の決勝2ヒートの通常フォーマット戦となったヴェロチッタ・ラウンドは、開幕から勢いをみせる今季参入TOYOTA GAZOO Racingブラジル(TGRブラジル)の新型『トヨタ・カローラ』に対して、盟主シボレー勢が完全キャッチアップをアピールする展開に。
予選ではポイントリーダーのセザール・ラモス(イピランガ・レーシング)がトヨタ勢最上位のフロントロウ2番手を確保したものの、最速の座はシボレーのカンポスに譲り、背後の3番手にもガブリエル・カサグランデ(R.R.マティス・モータースポーツ)、アラム・コデア(ブラウ・モータースポーツ)とクルーズ勢が並ぶグリッド順となった。
同じく3列目にもディエゴ・ヌネス(ブラウ・モータースポーツ)とギリェルメ・サラス(KTFスポーツ)とシボレーが続き、7番手にトヨタ勢のネルソン・ピケJr.(フルタイム・バッサーニ)、8番手にルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)と、前戦に続きカローラにとっては苦しい展開に。
30分間で争われるレース1は、ポールシッターのカンポスが終始レースを支配し、2番手発進だったラモスのカローラはポジションダウン。代わってカサグランデ、コデアのクルーズ艦隊が躍進し、終盤はカンポス対カサグランデの一騎討ちに。最終的にわずか0.666秒差決着でこの勝負を制したカンポスが、ポール・トゥ・ウインを達成した。
「僕らのチームにとっては最高の結果になった。ここまで何度も勝利に手が届きそうで、最後の瞬間に獲り逃がすレースが続いていたからね。前戦から明らかにシボレーの速度が上がり、僕がクルーズに今季初ポールをもたらせたのもクールだった。この勝利で貴重な選手権ポイントを得られたのにも安堵している」と、喜びを語ったカンポス。