2021年最終戦を終え、25歳のヤン・エルラシェール(リンク&コー03 TCR/シアン・レーシング・リンク&コー)が連覇でタイトル防衛を決めたばかりのWTCR世界ツーリングカー・カップは、その週末に先立ち2022年シーズン全10戦のスケジュール案を発表。フランス伝統のポー市街地戦も含みつつ、終盤には韓国、中国、そしてマカオ・ギア・サーキットの“アジア・フライアウェイ戦”の復帰も掲げられたが、こちらは「世界の防疫要件や渡航制限の状況次第」という但し書きがついている。
世界的に蔓延が収まらず、ふたたび感染力の高まった派生株も出現するなど依然として新型コロナウイルス(COVID-19)をめぐる継続的な問題に翻弄される状況ながら、過去2年間を欧州域内のみで開催してきたWTCRは、2022年に向け再度アジアでのラウンドをカレンダーに組み込む判断を下した。
その新シーズンは4月にチェコ共和国のアウトドローモ・モストで開幕し、続いてポーの有名なストリートサーキットが新たに追加。スーパーツーリング以来、世界的なツーリングカー選手権に「ひさびさの復活」という触れ込みでカレンダーに登場する。
ニュルブルクリンクでは恒例となった北コース“ノルドシュライフェ”で全長約21kmの勝負が繰り広げられ、ドライバーやチームにもゆかりの多いハンガロリンクを経て、2年前には最終戦の舞台となったスペインのモーターランド・アラゴンで前半戦を折り返す。
そのまま休む間もなくこちらもカムバックのポルトガル・ヴィラレアル市街地で後半戦に突入すると、続く第7戦は今季のシーズンフィナーレを務めたロシアのソチ・オートドロームが続き、ここでヨーロッパ・ラウンドが締め括られる。
アジアへの海路輸送の都合上、しばしのブレイクを挟んだWTCRは韓国のインジェ・スピーディウムで“アジア・レグ”を開始し、続いて中国は寧波のインターナショナル・スピードパークと待望の復活を予定するマカオへ上陸。全10戦、20ヒートの勝負が予定されている。