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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.02.08 18:10
更新日: 2022.08.05 18:20

14年の時を超え“因縁”タッグが実現。フェリペ・マッサがティモ・グロックを開幕ペアに招聘/SCB

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海外レース他 | 14年の時を超え“因縁”タッグが実現。フェリペ・マッサがティモ・グロックを開幕ペアに招聘/SCB

 南米大陸を代表する人気ツーリングカー選手権SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”の2022年開幕戦『レース・オブ・ダブルス』に向け、フル参戦2年目を迎えるフェリペ・マッサ(ルブラックス・ポディウム/シボレー・クルーズ)がゲストドライバーを発表。2008年のF1最終戦ブラジルGPにおいて、自身の初戴冠を“阻む”ひとりとなったティモ・グロックを招聘し、因縁の地インテルラゴスでの共闘を宣言した。

 フェリペ・マッサとティモ・グロックにとって、2008年11月2日は忘れ難い1日であることを、お互いに認めあっている。当時フェラーリに在籍し、前年度チャンピオンのキミ・ライコネンとともに跳ね馬をドライブしたマッサは、タイトル候補の一角として地元最終戦に乗り込んできた。

 一方、ランキング首位を行く当時マクラーレンのルイス・ハミルトンは、5位入賞以上で初タイトル獲得が決まり、対するマッサは2位表彰台以上かつハミルトンが6位以下が逆転王座獲得への条件となっていた。

 自身初のワールドチャンピオン獲得に向け執念を見せたマッサは、雨絡みでスタートディレイとなった決勝でポールポジションからレース終盤まで首位をキープ。残り2周の時点で宿敵ハミルトンは6番手を走行しており、地元ブラジルの大歓声を前に優勝を飾るとともに、文句なしの初戴冠が見えていた。

 しかし、ファイナルラップで強まった雨脚が4番手走行中だった当時トヨタのグロックを襲い、ステイアウトでドライタイヤのTF108は為す術なく後退。数十秒後方にいたセバスチャン・ベッテルとハミルトンが最終セクターでトヨタのマシンにみるみる追いつき、ターン12でパッシング。結果、ハミルトン5位、グロック6位でチェッカーフラッグを受け、完勝を果たしたマッサは惜しくもワールドチャンピオンを逃す結果となった。

 その13年後となる2021年ブラジルGPの現場ではTV企画での対談が実現し、当時のレースを初めて振り返ったふたりが最後に熱い抱擁を交わすシーンもあり「以前から、僕らの間に何か問題があったわけではないんだ」と、マッサはかつての自身の発言を撤回し、わだかまりがないことを強調した。

「メディアには『あのドイツ人が……』なんてコメントが取り上げられたが、僕はティモに対して何もないし、彼が僕に対して意図的に何かをしたとは思ってもいなかったよ。モータースポーツを理解している人なら誰でも、彼がそのような状況では何の関係もなく、どうにもできなかったことを知っている」と語ったマッサ。

 その心情が本物であることを具現化したマッサは、2022年のSCB開幕戦となる伝統の“ダブルス”に向け、そのインテルラゴスでシボレー・クルーズのコクピットを共有するべくドイツ人ドライバーの招待を決めた。

「昨年末のブラジルGPでひさしぶりに会った後、このアイデアを思いついたんだ。すぐにスポンサーと共有し、彼らもふたつ返事で同意してくれた。モータースポーツの全文脈でティモとチームを組むことの意味に加え、僕らも良い結果を求めていることは明確にしたい。僕はすでに彼と直接連絡を取り、すべての可能な情報を伝えているよ」

フェリペ・マッサ自身も幾度かのゲスト参戦を経て、2021年よりSCBへのフル参戦を開始した
Lubrax Podium Teamのシボレー・クルーズをドライブした初年度は、ランキング19位に終わった
F1の2008年シーズンを戦ったトヨタのTF108は、つねにトップ5を争うポテンシャルを発揮していた

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