2022年よりNASCAR最高峰のカップシリーズに導入される新規定車両Next-Genモデルの初レースとなった伝統のエキシビジョン戦、“クラッシュ”こと『ブッシュ・ライト・クラッシュ』が初開催地のロサンゼルス・コロシアムで2月6日に争われ、カイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を抑え切ったジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、栄えある新規定イベント初代勝者に輝いた。
例年、開幕前のキックオフとして開催されてきた同イベントは、長年にわたりデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで実施されてきた。しかし、2022年の新車両規定導入に合わせ、今回はかつてのオリンピック会場でもある有名なメモリアル・コロシアム内に、フラットな1/4マイル(約400m)のトラックが構築された。
チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)のプラクティス最速で幕を明けた週末は、続くシングルカー・クオリファイでカイル・ブッシュがポールポジションを確保。
4度のヒートレースや敗者復活のLCQなどからデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)やライアン・プリース(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)らが勝ち残る一方、カート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)はチームメイトと絡み敗退を喫するなど、最終的に全23台のマシンがファイナルへと進出する結果となった。
150周で争われたNext-Gen規定最初の1戦は比較的クリーンな展開となり、ポール発進のカイル・ブッシュは64周の最多リードラップを記録。しかし116周目でこの日最後のコーションとなった5度目のイエロー以降は、ブッシュに並んでいたロガーノがリードを引き継ぎ、チェッカーまでの35周を制圧する展開に。
3番手のオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を引き離した2台は、ブッシュが最後までタイヤを使って追い縋るものの、22号車マスタングをパスするには至らず。クリーンな競り合いを制したロガーノが、自身2度目の“クラッシュ”制覇を成し遂げた。
「信じられない結果だ! 初開催のこの地で“オールドスクール”なシェル/ペンズオイル・マスタングで勝利を収めることができた。素晴らしいイベントだったし、NASCARに『おめでとう』と言いたい。僕らの業界の大きな一歩がこれを可能にしたし、誰にとっても素晴らしいレースを提供することになったんだ!」と、喜びを爆発させたロガーノ。
「本当に息が切れたよ(笑)。今はこの勝利にとても興奮しているし、僕の妻は明日にも3番目の赤ん坊を産んでくれるはずだ。僕ら家族にとっても本当に大きな意味のある優勝、大きな週末になったね」