現地時間5月6〜8日にかけて、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催される伝統の一戦、第50回ADAC・トタル24時間レース（ニュルブルクリンク24時間耐久レース）の予選レースウイークが行われ、メルセデスAMG・チーム・ゲットスピードの3号車メルセデスAMG GT3（アダム・クリストドーロ／マクシミリアン・ゲッツ／ファビアン・シラー組）が決勝を前にした最後の予選レース2を制した。総合2番手には、トップチェッカーを受けるもタイム加算ペナルティを課せられたBMWジュニアチームの72号車BMW M4 GT3が、3番手にライオンスピード・バイ・カーコレクション・モータースポーツの24号車アウディR8 LMS Evo IIが続いた。
記念すべき第50回大会を迎える2022年のニュル24時間。予選ウイークには全91台が参加した。今大会では現地時間6日に行われた2度の予選、そして7日と8日にそれぞれ行われたトップ予選と3時間の予選レースを実施する新たなフォーマットが採用された。
FIA-GT3車両で競われるSP9クラスは、今年から本格投入となったBMW M4 GT3を要するBMW勢が好調を見せた。予選レース1のポールポジションはローヴェ・レーシングの99号車が獲得。予選レース1はBMWジュニアチームの72号車が制し、最終予選レース2のポールポジションもワーケンホルスト・モータースポーツの101号車が獲得。各セッションでBMW勢がトップで追えるかと思われたが、決勝を前にした最後の予選レース2ではトップチェッカーを受けたBMWジュニアチームの72号車BMW M4 GT3に、アクシデント発生中の速度制限区間『コード60』において3度の速度超過があったとしてタイム加算ペナルティが課されることに。これで2番手でチェッカーを受けたメルセデスAMG・チーム・ゲットスピードの3号車が予選レース2を制した。
日本勢では住友ゴム工業が今年もファルケンブランドで参戦。Falken Motorsports（ファルケン・モータースポーツ）として『ポルシェ911 GT3R』2台体制でFIA-GT3車両で競われるSP9クラスに挑戦している。さらに3年ぶりにSP3Tクラスに参戦するスバルテクニカインターナショナル（STI）の114号車SUBARU WRX STI NBRチャレンジ（カルロ・ヴァン・ダム／ティム・シュリック／マセール・ラッセー／佐々木孝太組）にもタイヤを供給し、ファルケン勢は計3台が24時間の戦いに挑む。
予選レース2では、ファルケン・モータースポーツの44号車（クラウス・バッハラー／ラーズ・カーン／アレッシオ・ピカリエッロ／マーティン・ラギンガー組）が総合6番手とシングルポジションを獲得。一方、33号車（ジャクソン・エバンス／スヴェン・ミューラー／パトリック・ピレ／マルコ・ゼーフリート組）はスタートから40分を経過したところでアクシデントに見舞われリタイアとなった。同じくファルケンタイヤを装着するSTIの114号車SUBARU WRX STI NBRは順調に予選レースウイークを走りこみ、予選レース2ではSP3Tクラストップとなる総合31位で終えている。
また、ヨコハマタイヤはBMW勢のワーケンホルスト・モータースポーツの3台のBMW M4 GT3にタイヤを供給。100号車が予選レース2で総合17番手を獲得も、101号車、102号車は共にリタイアと苦戦を強いられる結果となった。本戦での巻き返しに期待したいところだ。
2022年の第50回ADAC・トタル24時間レース（ニュルブルクリンク24時間耐久レース）は5月26日～29日に決勝のレースウイークを迎える。第50回の記念となる今大会では、WTCR世界ツーリングカー・カップの2戦がサポートイベントとして開催されるほか、BMW Mブランドが50周年を記念する『BMW M・レジェンド・オブ・レース』と題されたイベントも予定されている。昨年は14時間30分の中断を挟む大荒れの展開となったが、2022年はどのような戦いが繰り広げられるのだろうか。総合優勝争い、そして日本勢の活躍からも目が離せない24時間となりそうだ。
