かつてインフォニオン・レースウェイとも呼ばれたソノマで、6月11~12日に開催されたNASCARカップシリーズ第16戦『Toyota/Save Mart 350』は、終盤となる残り23周から盤石のラップリーダーに立ったダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が、歓喜のカップシリーズ初優勝。一足先に今季カップ初勝利を飾った僚友ロス・チャスティンと同じくロードコースでの初勝利となり、意外なことにメキシコ出身者としても、シリーズ初勝利を挙げたドライバーとして歴史に名を刻むこととなった。
カリフォルニア州でのレースウイークに先立ち、サンフランシスコでプレスカンファレンスを催したカップシリーズは、NASCAR代表を務めるスティーブ・フェルプス以下、ドライバー陣からはカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)と、後に週末勝利を飾ることになるスアレスが出席した。
その席上では、フェルプス代表が今後のカップシリーズに関する展開をアナウンスし「我々は大胆で革新的な挑戦を続ける」と語り、今季開幕前に初開催地でのイベントを成功裏に終えた“Busch Light Clash(ブッシュ・ライト・クラッシュ)”を、来季2023年も引き続きL.A.コロシアムで開催することを発表した。
「そのエキシビジョン戦に関して、これまで誰もその場所でレースができると考えたことさえなかった。開催前、誰もがそれを初めて聞いたときは『本当にできるのか?』などの懐疑的な声が聞こえたよ。それは重要な点で、だからこそ我々はより大胆になるべきだし、革新的であるべきだ。過去2年半にわたるNASCARの成功を自信に、今後も予想外のことをし、思いがけない場所に行くつもりだ」と、新車両規定“Next-Gen”導入も具現化したフェルプス代表。
こうして始まったソノマ・レースウェイの週末は、公式練習から地元カリフォルニア出身のカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がタイムボードを支配し、前年度覇者は予選でもスピードを維持してポールポジションを獲得したみせた。
「ひとまず良かったね。ターン4と7で多くのタイムを失ったように感じたので、この結果には少し驚いたよ。でもこのふたつのコーナーがうまくまとめられたら、もっと速かったってことだね(笑)。本当に良いクルマと僕らのチームがあり、みんなでエンジンショップやワークショップに戻ってこられた。本当にワクワクするね」と、HMSの僚友チェイス・エリオットをフロントロウに従えたラーソン。
そのディフェンディングチャンピオンは決勝で26周のリードラップを維持し、ステージ1こそ制したものの、終盤に右フロントタイヤが脱落するあわやのトラブルに見舞われ、この日の最終コーションを引き起こしてしまう。
さらに僚友エリオットもステージ2のピット作業で左のリヤタイヤが緩むまさかのハプニングが発生し、その修正とペナルティのため再びコールバックされ、ここで勝機を失うなどHMS陣営にとってはまさかの週末に。