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F1ニュース

投稿日: 2010.02.24 00:00
更新日: 2018.02.15 18:17

「新規チームの惨状はモズレーが残した遺産」とフェラーリ


 フェラーリが、新規チームの現状を痛烈に皮肉ると共に、F1がこういう状況に陥ったのは元FIA会長マックス・モズレーのせいであると批判した。

 2010年F1のグリッド数は増えたものの、この約1年で、ホンダ、BMW、トヨタが撤退、ルノーが75パーセントの株式を売却するなど、参戦チームの顔ぶれが大きく変わった。フェラーリは、この状況は前FIA会長モズレーが4,000万ポンドという無謀なバジェットキャップを導入しようとし、新規チームの参戦を促したせいだと論じている。

 去っていたマニュファクチャラーの代わりに、新規チーム、ロータスF1、ヴァージン・レーシング、カンポス・メタ1、USF1のエントリーが承認され、いずれかのチームが参戦を断念した際にはエントリーを果たそうと、ステファンGPが待機している。カンポスは、ホセ・ラモン・カラバンテがオーナーとなり、新体制の下で今季参戦を目指している。USF1は深刻な資金難に苦しんでおり、開幕4戦欠場の許可をFIAに求めたという。しかし開幕が迫る中、両者ともまだ一度もマシンを走らせていない。

 フェラーリは自らのウェブサイトにおいて、F1のこういった状況は遺憾であると皮肉まじりに述べている。
「今年の選手権に向けてサインをした、あるいはサインを促された13チームのうち、決意を胸にコースを走り出したのはわずか11チームのみであり、そのうちの一部はスタートが遅れて数百kmを走るにとどまり、走行距離を稼いでいてもペースが大きく劣っているチームもある」

「12番目のチーム、カンポス・メタ1は、聞くところによれば豊かな財力を持ったホワイトナイトが突然現れて資金を注入し、株主とマネージメント体制が変更された。しかしその寛大な行為の代わりに、彼らは隷属を強いられることになるかもしれない。ダラーラデザインのマシンがカタルニアに現れるとは考えづらく、セナの名前がF1セッションに復活するのは、サクヒールになると思った方がいいだろう」

「13番目のチーム、USF1は、ノースカロライナ州シャーロットに引っ込んだままで、F1への道を確保したと考えたアルゼンチン人の(ホセ-マリア・)ロペスは(ウワサによると、それも大統領キルチネルの援助によるものだというが)失望し、一からの出発を余儀なくされている。驚くべきことに彼らは厚顔無恥にもすべてが順調だと主張している」

「さらにセルビアのハゲタカが控えている。彼らは非現実的な法律上の論争をFIAと繰り広げ、死の床にあったトヨタから骨を抜き出した。雇用したスタッフの中には過去にスキャンダルを起こした人物が含まれる。彼らは最初にドロップアウトしたチームに取って代わろうと待ち構えている。彼らのバックには、前述したのと同様の“正義の味方”がついているのかもしれない」

「これは元FIA会長が仕掛けた聖戦が生んだ遺産である。原因は小規模チームのF1参戦を許したことにある。その結果、2チームは選手権のスタートになんとか間に合う見込みであるが、3番目のチームは見えざる手によってリングに押し込まれ、4番目のチームを探すには『行方不明者』欄を探した方がよさそうだ。しかし一方で我々は、BMWとトヨタというふたつのコンストラクターを失い、ルノーはほぼ名前だけしか残されていない状態だ。こうするだけの価値が本当にあったのだろうか?」