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スーパーGTニュース

投稿日: 2010.01.29 00:00
更新日: 2018.02.15 17:47

がんばれブノワ! ニスモ柿元総監督、鈴木監督からアウディ入りのトレルイエにエール


 29日、国内レース界にとって話題となったブノワ・トレルイエ&アンドレ・ロッテラーのアウディワークス入り。彼ら2人は、すでに1月中旬に鈴鹿で行なわれたGTメーカー合同テストにも参加しており、国内GTでの続投は確実と言われている。そんな彼らのアウディ入りについて、彼らの所属チームやこれまで彼らを見守ってきた国内レース関係者は、どのように思っているのか? オートスポーツwebでは、トレルイエ&ロッテラー、それぞれのことをよく知る関係者に緊急インタビューを行った。

●柿元邦彦
(ニスモ総監督)

 今回の件に関しては、全然問題ないというか、むしろ僕としては内心望んでいたことですね。僕の場合、ル・マンには勝っていないので、個人的にいつかは戻りたいと思っていますし、ウチのメーカーのドライバーが勝てるようなクルマに乗ってくれることは、喜ばしいことです。今回のことは、昨年ブノワがFニッポンを辞めた時から容易に想像できることでしたし、ル・マンで優勝したいのであれば、アウディやプジョーといったワークスのクルマに乗れるように働きかけた方がいいと勧めていたんです。ただ、ALMSとか、そういうシリーズに出ることになってしまうと、日本国内のレースとバッティングするので、GTとのバッティングだけは避けてくれって頼んでいたんですよね。それ以外は、むしろそういう場所で走って欲しいという気持ちでしたし、交渉の状況についても、ブノワからは逐一報告がありましたよ。アンドレ・ロッテラー選手の件に関しては、昨年暮れぐらいに聞いたと思います。その時はちょっと驚きましたね。でも、日本人はル・マンが好きですし、それを盛り上げるためにも、今回2人が同じクルマで出場することは大きな後押しになると思います」

「この頃は、日本のワークスチームが出なくなって、ル・マンに対して少し興味が薄れてきていたかも知れませんが、それをもう一度盛り上げるためにも、日本に関係しているドライバーが出場するのはいいことですよね。私も忙しいので、その時のスケジュールは分かりませんが、できることなら応援に行きたい。ブノワがアウディに乗る勇姿を見たいですし、勝つところを見たいと思っています。最近のLMP1は運転が難しくなってきているので、速さがあるドライバーでないと勝てないと思うんですよね。そういう意味では、経験あるトム・クリステンセンたちのトリオ以上に、ブノワやアンドレ・ロッテラー選手の乗っているクルマはいいんじゃないかと思うんですよ。これは、日本のレース界にとっても刺激になりますし、ぜひ日本のレースの底力を見せてもらいたいですね。

●鈴木豊
(ニスモ監督)

「ウチでワークスドライバーとして走っているブノワが、アウディというワークスに入って、ル・マンで総合優勝を狙えるクルマに乗るというのは、本当に素晴らしいニュースだと思います。ウチでの活躍がアウディにも認められたということで、それは光栄ですね。もちろんクルマもドライバーもいいので、総合優勝を狙えますし、応援したいと思っていますよ。ブノワは充分な速さがありますし、走り始めてから下りるまで、集中力が途切れないドライバー。以前はル・マンと言えば、だましだまし走るレースでしたが、今はスプリントで24時間を駆け抜けますよね。その点、ブノワは常に速く走ることしか考えていないドライバーなので、そこが成功につながるのではないかと思っています。また速く走るのと同時に、クルマの操作系に対しては繊細なところも持っていますし、ドライバーとしてのセンサーも鋭い。つまりクルマを速く走らせつつ、大事に使うことができるドライバーです。アンドレ・ロッテラー選手と同じクルマに乗るということですが、2人ともに日本のGTを代表するドライバーですし、その2人が世界に認められたのが本当に嬉しいですね。ル・マンには、ル・マン特有のテクニックもあるでしょうが、あの2人なら大丈夫。僕は現地には行けないんじゃないかと思いますが、日本で応援しています」