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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2015.11.22 00:00
更新日: 2018.02.17 11:44

ブルツ「私にとってトヨタは家族のようなもの」


TOYOTA GAZOO Racing
TS040 HYBRIDの最終戦を3位表彰台で締め括る
2015年11月21日(土)

 2015年FIA世界耐久選手権(WEC)が幕を閉じました。TOYOTA GAZOO Racingは最終戦バーレーン6時間レースを3位表彰台で終え、2016年シーズンからの新たな挑戦に向けて準備に入ります。

 最後まで気の抜けないレースでしたが、3位に入ったTS040 HYBRID #2号車でステファン・サラザン、マイク・コンウェイと共に自身最後のレースを終えたアレックス・ブルツは、満足げな表情でトロフィーを受け取りました。このレースはブルツにとってTOYOTA GAZOO Racingで走った28レース中12回目の表彰台でした。その12回の表彰台には5回の優勝も含まれています。

 アレックス・ブルツは1991年にレースを始め、以来素晴らしい成績を収めて来ました。その輝かしいキャリアの中には、2度のル・マン24時間レース優勝、そして12年にも及ぶF1レースドライバー、テストドライバーの実績があります。TOYOTA GAZOO Racingはブルツのこれまでの活躍に感謝し、彼の第2の人生の挑戦にエールを送りたいと思います。

 最後まで激しい戦いが続けられた6時間に及ぶレースでは、ライバルがトラブルに苦しむ中、高い信頼性を武器にTS040 HYBRID #2号車が3位表彰台に、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴の#1号車も4位に入りました。

 レースは午後3時にスタートを切り、#1号車はブエミが、#2号車はブルツがドライブ、それぞれ5位、6位を走行していましたが、レース開始30分頃ポルシェの1台がピットへ入り、2台のTS040 HYBRIDはひとつずつ順位を上げました。

 スタートから2時間半が経過した頃、中嶋一貴の駆る#1号車がLMP2クラスの車両と接触、フロントカウルの交換を強いられました。その結果、#2号車が#1号車の前に出ることになりました。さらに、レースの折り返し地点を過ぎた頃、2位を走っていたアウディの1台がピットへ入り15分間を費やしました。その結果、2台のTS040 HYBRIDは3位、4位に順位を上げ、表彰台獲得の可能性が高まりました。

 ゴールまで2台のTS040 HYBRIDは非常に力強く、安定したレースを展開しましたが、最後まで#1号車が#2号車をプッシュし続けました。誰もがひとつでも上の順位を狙うレースでは、例えチームメイト同士でも同様で、手を抜くことはありませんでしたが、その結果、#2号車は見事に3位表彰台を獲得、#1号車は僅かな差で4位に甘んじました。

 レースは俊足を誇ったポルシェ#18号車が優勝、同チームの#17号車に乗るブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー/ティモ・ベルンハルトが新しいドライバーズ・チャンピオンに輝きました。1年前にデビッドソンとブエミが獲得した栄光を、今年はポルシェチームのドライバーが引き継ぎました。彼らには祝福の言葉を贈ります。

 長いシーズンを終え、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権3位を獲得、デビッドソンとブエミがドライバーズ選手権5位、ブルツとサラザン、コンウェイが6位にランクされました。この5人の得点はまったく同じですが、#1号車が上位入賞の回数が多いことで順位に差が付きました。中嶋は怪我のためにスパのレースを欠席したため、選手権7位でした。

 今日のバーレーン6時間レースで、TS040 HYBRIDはその役目を終えることになりました。2シーズンに渡って16レースを戦い、優勝5回、表彰台獲得14回の大記録を残しました。その多くは世界チャンピオンに輝いた2014年シーズンに打ち立てたものです。2016年シーズンに向けては、現在後継車を開発中です。3月にポールリカールで行われるプロローグ・テストがお披露目となりますが、それに先駆けて1月から本格的なテストに入ります。

 2016年シーズンもTOYOTA GAZOO Racingへの皆様の声援をよろしくお願いします。