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F1ニュース

投稿日: 2009.10.06 00:00
更新日: 2018.02.15 15:42

マクラーレン、メルセデスとの提携を解消し、BMW F1のエンジン部門を買収?


 マクラーレンとエンジンパートナーであるメルセデス・ベンツが、2009年シーズン末でついに袂を分かつのではないかとの推測が持ち上がっている。その場合、マクラーレンはBMW F1のエンジン部門を買収し、シャシー、エンジン共に自らのチームで製造することになるとも言われている。

 1995年の提携以来、4度の世界選手権(ドライバーズ選手権3回、コンストラクターズ選手権1回)を勝ち取り、60回のグランプリウインを成し遂げたマクラーレン・メルセデスだが、近年はスキャンダルに揺れていた。2007年には“スパイゲート”、今季開幕戦では世界チャンピオン、ルイス・ハミルトンがかかわる偽証スキャンダルが問題になっている。
 これらの問題をメルセデスは不快に思っており、その状況に今季序盤のMP4-24のパフォーマンス不足が拍車をかけたとも見られている。メルセデスエンジンは今季のエンジンの中で最も優れていると評価されており、ポイントリーダーのブラウンGPの活躍にも一役買っている。メルセデスはそのブラウンGPの株式を取得するのではとのウワサがこの数カ月、ささやかれている。
 当初は、来季マクラーレン入りする可能性が高いと見られていたニコ・ロズベルグが、ブラウンGPに加入する見込みが高くなってきていることからも、メルセデスが、プライオリティーをマクラーレンからブラウンにシフトするのではとの推測を高めている。

 ドイツのアウト・モーター・ウント・シュポルト誌は、マクラーレンは、メルセデスとの提携を解消した場合には、BMWチームのエンジン部門を買い取るのではないかと報じている。BMWは今季末でF1を撤退することを決めており、チームはカドバックに買収されたものの、エンジン部門はその取引に含まれていない。
 もしこの一連の動きが現実となれば、マクラーレンはシャシーとエンジンを自ら製作することになり、“イギリスのフェラーリ”になるという目標に向けて動き出すことになるのかもしれない。そのプランを操っているのは元チームプリンシパルであり、マクラーレン・グループのチェアマン、ロン・デニスであるとの報道がなされている。
 BMW側は、適切な価格であればエンジン部門を売却する意思は大いにあるとのことで、マクラーレンはバーレーンの投資者からの資金提供の増加を見込んでおり、唯一の障害は、メルセデスとの契約が2年残っていることであると報じられている。

 しかしマクラーレンのチームプリンシパル、マーティン・ウィットマーシュは、この報道を否定している。
「BMWのエンジンを買収する計画はない」とウィットマーシュは述べ、チームのスポークスパーソンも、一連のウワサは“全くナンセンスである”とコメントしている。