ル・マン24時間：序盤で3号車プジョーが離脱　マンセルはクラッシュ

　第78回ル・マン24時間耐久レースは12日決勝レースのスタートを迎え、開始から3時間が経過しているが、ポールポジションからスタートした3号車プジョー908 HDI FAPがリタイアするなど、波乱の序盤戦となっている。

　ヨーロッパ時間の6月12日（土）、午後3時。いよいよ第78回ル・マン24時間レースがスタートした。スタート時点の天候は曇り。気温は21℃、路面温度は23℃と、過ごしやすいコンディションの中、午後2時50分には、24時間先のゴールに向けて、1周のフォーメーションラップがスタートする。

　そして、ゆっくりとコースを1周した54台のマシンは、コントロールライン上でフランス国旗が振り下ろされると一斉に、1コーナーに向けてアクセルを全開に踏み込んだ。

　このスタート直後の1コーナーで、まずポジションを上げたのは、アラン・マクニッシュがトップバッターを務めたアウディ7号車。ティモ・ベルンハルトがドライブする9号車をかわした7号車は、ニコラ・ラピエールの駆るオレカのプジョー4号車に迫るが、4号車も決してイン側のラインを明け渡すことなく、ポジションの入れ代わりはなかった。

　その後、レースが5周目に差しかかったところで、ナイジェル・マンセルがスターターを務めたジネッタ・ザイテック09Sが、インディアナポリスコーナー手前でスピン、マシンの両サイドをガードレールに激しくヒットして止まった。マンセル父は、このクルマから自力で脱出することができず、コース上にはセーフティーカーが導入される。ここでセーフティーカーは3台コースに入ったが、周回遅れのマシンが出始めていた影響なのか何なのか、とにかくトップ4台のプジョー勢と、5番手以下のアウディの間に割り込む形となり、プジョーは大きな恩恵を受ける。

　マンセルの救出が終わり、救急車がピットロードに滑り込んできたのは、午後3時41分。その7分後には、グリーンシグナルとなり、トップが10周目を走行中に、レースが再開された。この時点でのオーダーは、プジョー3号車、2号車、1号車。約1分のギャップでアウディ7号車、9号車、8号車と続く。さらに、セーフティーカー中にピットインしたオレカのプジョー4号車と続く。その後、12周を終えたところからは、各車最初のルーティンのピット作業に入る。上位のマシンが全車作業を終えると、2号車がトップに。これに3号車、1号車、4号車と続き、アウディの7号車、9号車、8号車というオーダーとなった。

　そこから、プジョーは1スティント12周、オレカ・プジョーは1スティント13周、アウディはスティントによって各車12～13周と、ピットインのタイミングを考えながらの走行となっている。

　LMP2クラスは、ストラッカ、ハイクロフトの順位でHPD ARX.01勢がレースをリード。LM-GT1は60号車フォードGTがトップ。LM-GT2は64号車コルベットがトップ、82号車フェラーリF430が2番手、63号車コルベットが3番手となっている。