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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.04.03 00:00
更新日: 2018.02.16 08:17

寿一「次戦に向けて貴重なデータを得られた」


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DENSO KOBELCO SC430
開幕戦岡山、決勝は9位フィニッシュ
http://www.sard.co.jp/race_r/r2012/rd1/report.html

2012 SUPER GT 第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」(3/31-4/1)
岡山国際サーキット(1周3.703km)
入場者数:予選8,100名、決勝16,000名 合計24,100名

 4月1日(日)、今季シリーズ開幕戦となるSUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝が行われ、12番グリッドからスタートした石浦が駆るDENSO KOBELCO SC430は1周目にダブルヘアピンで32号車をパスし11位に浮上。その後は中位集団でペースを維持し走行。40周目にピットインするまで手堅い走りを見せた。約36秒で素早くピット作業を終えると脇阪が8位のポジションで上位ペースで周回を重ね、前をいく7位の8号車をどんどんと追い詰め、12秒ほどあった差を2.9秒差までに削る速さを見せた。だがその後、思うようにペースが上げられず、追い上げてきた18号車にパスされてしまい9位に。懸命なドライビングで最後まで攻め続けたが、結果は9位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントでは2点を獲得、チームポイントでは5点を獲得した。次の第2戦は約1ヶ月後となる、5月3日(木・祝)・4日(金・祝)に富士スピードウェイで開催される。

公式練習走行
 いよいよ2012年シーズンが開幕する。東日本大震災で被災された方々を応援するメッセージ「ニッポンを元気に!」が全車に掲げられ、引き続き復興支援を行うことを表明しているSUPER GTシリーズ。GT500クラスは吸気制限の拡大により馬力がアップ。GT300クラスも車両規則変更により車種が多彩となった。競技規則については予選アタックを両ドライバーが行う規定に変更、タイヤに関する規定も変更され、また従来の決勝レース距離に戻り鈴鹿での1000kmレース復活など、よりエキサイティングな戦いへと変わった。開幕戦の予選方式は両ドライバーがアタックするノックアウト方式。決勝は300kmでピットストップは1回。舞台となる岡山国際サーキットは山間にあり、2本のストレートを13のコーナーで繋ぐ高低差29mのテクニカルなコース。またウェイトハンディは各車ともまだ0kgで開幕から熱く激しい接近戦が予想されている。

 開幕前の岡山GTA公式テストにて、トップタイムをマークしたウェットおよびドライ路面で貴重なデータを得たDENSO KOBELCO SC430。2012年仕様にアップデートしビルドアップされたマシンはこれまでのテストで色々なセッティングが試されて走り込んできている。新加入の脇阪も合流当初から速さを見せ、その豊富な経験をチームに注ぎ込んでいる。成長著しい石浦も力強さを増しており、気合いみなぎるドライバーを含めチーム全員が今季に懸ける意気込みは並々ならぬほどに強い。剛毅果断、良いシーズンとするために上位を狙って開幕戦に臨んでいる。

 31日(土)午前中の公式練習走行は、気温8度/路面温度10度の雨。9時から1時間40分の混走セッションが始まり、まずは石浦から走行。セクター1、2、3と赤マークをつけタイムを周回毎に刻んでいった。何度か赤旗中断があったが常にトップタイムをマークし、雨での好調さを見せる石浦。18周目には1分34秒373のトップタイムを刻んだ。続いて25周目からは脇阪がドライブ。最初の計測ラップからその時点でのトップペースで快走。脇阪と石浦がともに上位タイムを叩き出す競演を見せた。10時50分から10分間のGT500クラス単独走行のセッションでは、昨季チャンピオンの1号車にトップタイムは譲ったものの雨での速さを力強く印象づける2番手タイムとなった。

公式予選
■ノックアウト・Q1:石浦が波乱のQ1でまさかの12位に
 31日(土)14時45分から15分間の公式予選Q1は気温10度/路面温度16度。開始直前に大粒の雨が降り出しウェットタイヤでコースインした石浦。4周目には1分34秒392のトップタイムをマークした。だが雨が止み路面の水が少なくなり、タイヤ交換をして再度アタックしようとコースインした矢先に赤旗中断に。出鼻をくじかれた形となった石浦はピットロードを押し戻されピットボックスに戻った。この赤旗中断時点では6番手につけていたが、路面状況はこの後も刻々と変化しタイヤ選択および内圧の調整が悩ましい状況に。15時から残り5分間のセッションでは、セミウェットからドライへと変化していった中、ウェットタイヤで1分32秒624まで縮めた。しかし、結果的にドライタイヤを選択した車両の後塵を拝することとなり、あとコンマ5秒及ばずにまさかの予選12位となった。

決勝
■フリー走行
 1日(日)8時20分からの決勝前フリー走行開始時は前日から冷え込みが厳しく、気温7度/路面温度8度の低温に。まず石浦がコースインし、上位タイムを刻み8周目に1分25秒349のベストタイム。13周にわたってクルマとタイヤを確認し脇阪と交代した。脇阪もチェッカーを受ける28周までコンスタントにラップを重ねクルマを確認。フリー走行は石浦のタイムで13番手となった。その後のサーキットサファリの時間帯では9周を走行。バスが退去してからのフリーの時間帯で脇阪が非公式ながら4番手タイムをマークし、決勝への準備を終えた。

■決勝スタート
 1日(日)決勝前は晴れ間はあるものの風が冷たく厳しい寒さとなった。決勝スタート進行8分間のウォームアップ走行で石浦は6周にわたってドライタイヤのフィーリングをチェック。14時スタート時は気温10度/路面温度15度に。12番グリッドからスタートした石浦が駆るDENSO KOBELCO SC430は、白煙を上げて1コーナーに進入する他車を後目に落ち着いた様子でポジション取りを行い1コーナーに飛び込んでいった。

手堅い走りでポジションアップの石浦
 オープニングラップのダブルヘアピンにて32号車をうまくパスして11位に浮上。25秒ペースで中位集団の中で石浦は虎視眈々とチャンスを窺った。周回遅れの300クラス集団と絡み始めたが前走車との間合いを保ったままペースを維持する走行を続けた。30周目頃よりペースが上げられず厳しい状況となったが、ピットからの無線での檄に応える走りを続けた石浦。他車が次々とピットインする中で、40周目にピットインするまで手堅い走りでタイヤマネージメントをしっかり行い、第1スティントをまとめ上げた。

攻めの姿勢で追い上げを見せた脇阪
 36秒ほどの素早いピットワークで脇阪を送り出す。脇阪はアウトラップから速さを見せて上位タイムと遜色ない速いペースで追い上げを始めた。一気に前との差を詰めると7位の8号車をどんどんと周回毎に追い詰め、12秒ほどあった差を2.9秒差までに削る攻めの姿勢を見せた。脇阪は300クラスが絡んでもラップタイムが大きく落ちない術を熟知しており、その凄さの健在ぶりを走りで見せた。しかし、その後69周目からは思うようにペースが上げられずに追い上げてきた18号車にパスされてしまい9位に。懸命なドライビングでペースを何とか保って最後のチャンスに懸け、フィニッシュまで攻め続けたが叶わず、結果は9位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントでは2点を獲得、チームポイントでは5点を獲得した。次の第2戦は約1ヶ月後となる、5月3日(木・祝)・4日(金・祝)に富士スピードウェイで開催される。

■脇阪寿一
「予選から厳しい展開となってしまいましたが、新体制での初陣でまずポイントを獲得することができたことは良かったことです。レースを1つ終えると悪い所もはっきり見えてきて、 次戦に向けて貴重なデータも得ることができました。今後が楽しみですし、チームのポテンシャルとしても手応えを感じられました。応援していただいた全ての皆様、ありがとうございました。次はもっと上を目指していきますので、引き続きご声援のほどお願いいたします」

■石浦宏明
「今回できる限りのことはしました。昨年の岡山はとんでもなくペースが落ちてレースになりませんでした。岡山のパフォーマンスを上げようとシーズンオフに頑張ってきました。一見期待外れの9位ですが、僕らの中では大きな一歩なんです。こうやって一歩ずつ進むことが大事なんです。昨年ポイントすら取れなかった岡山でしっかりポイントを取ろうとチームで話してきて獲得した2ポイント。これが次のレースにつながると信じて頑張ります。皆様富士のレースでも引き続き応援よろしくお願いします」

■大澤尚輔監督
「シリーズ上位を目指す上で、今年の目標である"0ポイントのレースを無くし全戦ポイントをとる"という点で、一番課題の多い、この初戦岡山で貴重なポイントを獲得できたことは良かったです。色々な意味で難しい開幕戦において、チームメンバーの力を結集して獲得できたポイントかと思います。次戦富士では実力をしっかり出し切れるように頑張っていきたいと考えています」


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