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スーパーフォーミュラニュース

投稿日: 2009.05.31 00:00
更新日: 2018.02.15 13:26

FNもてぎ決勝:完走7台、波乱の一戦を小暮卓史が制して今季初優勝!


 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦はツインリンクもてぎで52周の決勝レースが行なわれ、途中、立川祐路(CERUMO/INGING)のクラッシュによりセーフティーカーが導入されたもののポールポジションからスタートした小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が優勝。2位は前戦に続いてブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)、3位は石浦宏明(Team LeMans)となった。ファイナルラップまで3位をキープした塚越広大(HFDP RACING)は惜しくも4位。完走は7台だった。

 フォーメーションラップ開始まで天候急変は免れたもてぎだったが、スタートのまさに直前、雨が落ち始めた。なお先立ってのインスタレーションラップで国本京佑(Team LeMans)のマシンに電装系トラブルが発生しスタートを切ることができなくなった。またフォーメーションラップ中には伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)がファーストアンダーブリッジで突然ストップ。こちらもスタート前に姿を消した。

 14時半、全52周の決勝レースがスタート。雨は落ち始めているが全員ドライタイヤを装着している。スタートで2番手のロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)のダッシュが鈍く、4位へとスリップダウン。デュバルはその先の3コーナーでスピンを喫し最後尾に落ち、エンジンをストールさせてしまいリタイアとなってしまう。

 3周目、小暮に迫った塚越広大(HFDP RACING)がV字コーナーでアウトから小暮をパス! トップに立った塚越は自身初のリードラップを刻みながら徐々にその差を広げていく。レース序盤の順位は塚越、小暮、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、平手晃平(ahead IMPUL)、石浦、立川、トレルイエ、大嶋和也(PETRONAS TOM'S)、松田次生(LAWSON IMPUL)、リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)。

 7周目、小暮のミスに乗じてロッテラーが2位へと浮上。一方で塚越はファステストラップをたたき出しながらリードを拡大し、独走劇すら予感される快走を見せた。

 各車のピットインは11〜12周目に集中して行なわれ、それが済むとトップ争いが白熱し始めた。2位ロッテラーが塚越に0.263差で肉薄し、何度も並びかける。なんとか猛攻を凌いだ塚越だったが、直後の4コーナーで単独コースアウトし6秒をロス。3位へとダウンしてしまった。一方では濡れた路面に足をすくわれた大嶋もコースオフ、リタイアを喫している。
 
 依然として雨は降り続いているが、ここでペースを上げてきたのが小暮。3.5秒あったロッテラーとのギャップを詰め始め、19周目には0.4秒差まで接近。そしてついに20周目のヘアピンでロッテラーを逆転、小暮はトップへ復帰することに成功した。

 22周目には残念な“同士討ち”もあった。ヘアピンで松田と平手が接触し、平手はフロントウイングを破損。そのまま走り続けるもスピン、結局グラベルにハマって万事休す。開幕から連続入賞中の平手がここで消えた。

 そして3位の塚越がギャンブルに出る。ピットインしてタイヤをスリックへとチェンジ。後続ドライバーも追従し、この時点で4台ずつレインとスリックが混在という状況になった。そしてレース折り返しの26周目、上位の3台もピットインし塚越は2位へ。結果的にギャンブルは成功であった。

 しかし30周目、迫熱のレースは小休止の時を迎える。立川が2コーナー立ち上がりでコースアウトしクラッシュ、コース上で立ち往生しセーフティーカー(SC)が導入されたのだ。立川はリヤからウォールへ激突したが自力で脱出。身体に異常はない模様。しかしこれでコース上のマシンは7台のみという状況に。SCランは3周にわたって続き、34周目にリスタート。順位は小暮、塚越、ロッテラー、トレルイエ、石浦、松田、ライアンというもの。しかしリスタートのタイミングと同時に雨粒が大きくなり、各車ともペースダウン。ここでロッテラーがブレーキングミスによって90度コーナーでコースアウト、最後尾へとダウンし優勝戦線から脱落した。

 コース上は再び雨が強さを増し、38周終了時にトップの小暮がピットイン。後続のドライバーもピットインし塚越は再び単独トップとなった。そのままコース上にステイしてタイヤは換えないという戦略を採ったようだ。レインタイヤで追い上げる小暮と、スリックタイヤで走り切りたい塚越。ここから彼らの、火の出るような激しいタイムバトルが展開されていく。

 40周目、トップ塚越と2位小暮のギャップは27秒あった。しかし小暮は毎周塚越よりも3秒速いタイムを刻み続ける。ギャップは21.5秒、18.9秒、15.9秒、11.7秒、8.8秒と確実かつ急速に縮まり、残り4周となる48周目には0.66秒差に! 直後にはテール・トゥ・ノーズとなり、ついに49周目のV字で小暮が塚越を攻め落とすことに成功、三たびトップへと舞い戻った。抜かれた塚越はそれでも初の表彰台を目指して懸命の走りを続けたが、タイヤによる差はいかんともしがたく、ファイナルラップの90度コーナーで石浦に並ばれなす術なく3位の座を明け渡した。石浦はそのままゴールし自身初の表彰台を獲得した。

 結局、1時間40分にもおよんだ決勝レースは小暮のポール・トゥ・ウインとなった。2位は前戦鈴鹿から連続となるトレルイエで、予選の不振を見事に払拭し3戦連続表彰台という結果。ランキングトップの座も堅持した。

フォーミュラ・ニッポン第3戦もてぎ 決勝結果
天候:くもり→雨 路面:ウエット
rntt
Pos.No.DriverTeamMachineLapsGridQualifyrn
132小暮卓史NAKAJIMA RACINGFN09/HONDA5211'34''264rn
22B.トレルイエLAWSON IMPULFN09/TOYOTA52111'35''875rn
38石浦宏明Team LeMansFN09/TOYOTA5241'34''782rn
410塚越広大HFDP RACINGFN09/HONDA5231'34''633rn
536A.ロッテラーPETRONAS TOM'SFN09/TOYOTA5251'35''110rn
61松田次生LAWSON IMPULFN09/TOYOTA5271'35''251rn
740R.ライアンDOCOMO DANDELIONFN09/HONDA52141'36''002rn
rntttttt以上 規定周回数完走:
R48立川祐路CERUMO/INGINGFN09/TOYOTA29121'36''194rn
R20平手晃平ahead IMPULFN09/TOYOTA2261'35''183rn
R37大嶋和也PETRONAS TOM'SFN09/TOYOTA1081'35''616rn
R31L.デュバルNAKAJIMA RACINGFN09/HONDA21'34''139rn
R7国本京佑Team LeMansFN09/TOYOTA91'35''276rn
R41伊沢拓也DOCOMO DANDELIONFN09/HONDA101'35''280