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F1ニュース

投稿日: 2014.11.05 00:00
更新日: 2018.02.17 03:59

GP直送:ホンダ、アブダビ・テスト参加へ難題


 アメリカGPの土曜、マクラーレンの定例会見の席で、アブダビ・テストでホンダのパワーユニットを搭載して走らせる可能性について質問されたエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は、これまでの強気な発言から少しトーンダウンして、次のように返答した。

「まだ調整しなければならないことがあり、正式に走らせるかどうかはわからない」

 調整しなければならないこととは何か? オースティンを訪れていた新井康久氏(本田技術研究所取締役専務執行役員四輪レース担当)によれば、「ドライバーが移籍する時も、いつまで契約下で、いつから新しいチームと仕事していいかという調整を当事者同士でやる。同じようにエンジンメーカーが移行する時も、他のチームとのネゴシエーションが必要なんです。そして我々の場合、そういう部分はマクラーレンが担当することになります」

 つまり、現在マクラーレンが契約しているメルセデスと使用期間を調整しなければならないということだ。ただ、たとえメルセデスがアブダビのテストでマクラーレンがホンダのパワーユニットを使用することを許可したとしても、問題はある。それは、データ取りに関するものだ。アブダビGP直後の11月25〜26日に行われるテストは、7月のシルバーストン以来の貴重な機会。このあとは来年のテスト解禁日となる2月1日までサーキットを使った実走テストはできない。

 チームとしては来年に向けた空力テストをできるだけ多くこなしたいし、もしかするとピレリの来季用タイヤが持ち込まれるかもしれないから、そのデータも取っておきたい。そうなると2日間みっちり走り込みたいのである。

 ところがホンダのパワーユニットを搭載してアブダビ・テストを行うと、そういう望みはある程度あきらめなければならなくなる。なぜなら「もしアブダビでテストするとしても、それはソフトウェアがセッティングどおり、うまく動くかという程度のもの」と、新井総責任者が語っているからだ。