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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.06.11 00:00
更新日: 2018.02.15 20:32

GT3カテゴリーが日本上陸へ スーパー耐久に『ST-X』カテゴリー誕生


 スーパー耐久機構(STO)は10日、2011年からスーパー耐久シリーズに新設のカテゴリーとして、FIA GT3規定のマシンを対象とした『ST-X』カテゴリーを新設。シリーズの3〜4戦に導入すると発表した。

 現在ヨーロッパをはじめ、南米やアジアで盛んに行われているGT3規定のレーシングカーがついに日本にも導入されることとなった。このST-Xカテゴリーは2011年から導入されるもので、FIA GT選手権をプロモートするSRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)と連携。FIA GT3規定のマシンであれば、SROの性能調整の下、購入すればすぐにレースに参加することができる。

 今回のST-Xカテゴリーの新設にあたっては、STO内にST-Xクラス専任推進チームを設定。STOから桑山充氏、エントラント集団であるSTELから花里功氏、アジアにパイプを持つペトロナス・シンティアム・チームの鈴木元氏、FIA GT車両に詳しいNOVAの森脇基恭氏、今回のFIA GT3車両の導入を推進したニュー・パシフィック・マーケティング(NPSM)の小林泰司氏が加わる。

「もともと、マレーシアで行われているメルデカ・ミレニアムにスーパー耐久のマシンを持っていって、クラスを作ってくれないかと頼んだんです。さらにアジアでスーパー耐久のマシンを販売できれば、現在S耐に参戦しているエントラントはコスト面でとても楽になる。でも、そこで気付いたのが、現在日本で走っているレーシングカーは、すべて日本のレースしか参戦できないレギュレーションなんです。FIAのレギュレーションに合致したことマシンがひとつもない」と語るのはSTOの桑山氏。

「そのタイミングで、NPSMの小林さんから『GT3をやりたい』と声をかけていただいた。新しいカテゴリーをやるとなるとすごい労力がかかるけれど、スーパー耐久の1カテゴリーであればやれるんじゃないか、という話で進みましたね。スーパー耐久のアジアとの交流の一環として、GT3ならアジアのエントラントもマシンを持ってくれば参戦することができますからね」

 一方、GT3カテゴリーを輸入するべく画策していたNPSMの小林氏は、「国際交流ができるカテゴリーが必要だと思ったのと、あとはスーパースポーツカーの日本における復権ですね。その思いが、GT3なら実現できる。それに、私のクライアントはポルシェやアウディなど、GT3カーをリリースするメーカーでしたので、それを見てなんとかこれを日本で走らせたい、と思っていました。そこで、桑山さんに声をかけたんです」と今回の経緯を語っている。

 2011年のST-Xクラスの目標としては、当面4〜5台の参加を考えているとのことで、「その感触はあります」と小林氏。気になるスピードはST-1クラスよりも速くなるとのことで、スーパー耐久としても最速のカテゴリーが誕生することになる。参戦するエントラントはGT3マシンを購入することになるが、この1台でスーパー耐久はもちろん、GT3アジア、さらにニュルブルクリンク24時間など、国際的なレースにも参戦することができる。

 なお、ST-Xカテゴリーの新設に伴い、新たにGT3のサイトhttp://gt3.jp/がオープン。SROから贈られたという日の丸を配したGT3ロゴが用意されている。すぐに『GT3 ジャパンシリーズ』というものが立ち上がる訳ではないが、桑山氏、小林氏ともに「すぐにそんなに多数のエントラントが集まるとは思っていません。数年先にマシンが日本に多く揃って、エントラントが多くなったときにシリーズ化に向けて考えればいいと思います」と語っている。

 http://gt3.jp/には、2011年に公認を取得する予定のアルファロメオ8C、フェラーリ458、マクラーレンMP4-12C、さらにメルセデスベンツSLS AMGなど多数の魅力的なマシンが並ぶ。この中のどんなマシンが日本に登場するだろうか……!?


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