更新日: 2018.09.10 17:57
アウディ、2018年限りで世界ラリークロスでのワークス活動終了か。「前向きな決断の影響」
2019年以降のABBフォーミュラE選手権とDTMドイツ・ツーリングカー選手権への正式コミットメントを表明したアウディは、2018年シーズン末をもってWorldRX世界ラリークロス選手権でのワークスプログラムを終了し、将来的に導入予定の電動ラリークロス選手権“E-WolrdRX”へも参戦しないようだ。
アウディは2018年、フォーミュラEとDTM、WorldRXの3カテゴリーでワークス活動を展開。WorldRXについてはマティアス・エクストローム率いるEKSとタッグを組み、EKSアウディスポーツとして参戦している。
そんなアウディは8月末に2018/19年のフォーミュラEと2019年のDTMでの活動継続を正式表明したが、このアナウンスのなかでWorldRXでの活動については触れられていなかった。
英国のモータースポーツサイト『AUTOSPORT.com』によれば、フォーミュラEとDTMでの活動継続に関する決断を下すなかで、EKSへのワークスサポートを2018年シーズン限りで終了し、シリーズから撤退する決定に至ったという。
2017年限りでDTM現役生活を終えたエクストロームは2014年からWorldRXに参戦。当初はアウディから技術支援を受ける形でアウディS1ベースのラリークロス用マシンを開発し、2016年にはシリーズチャンピオンにも輝いている。
このWorldRXにはフォルクスワーゲンやプジョーなどがワークス体制で参戦を開始しており、アウディもカテゴリーの発展と将来性を見込む形で、この2018年からチームEKSをワークス待遇に昇格させ、改めてシリーズでの戦いに注力する決断を示していた。
加えて、シリーズは将来的にフルEVによるシリーズ運営を計画しており、アウディはこの電動化を取り巻くテクニカルワーキンググループの議論にも積極的に関与してきた。
AUTOSPORT.comに対し、アウディスポーツの代表を務めるディーター・ガスは「基本的に、我々としては今後のラリークロスに向けファクトリープログラムで関与することはないだろう」と明言した。
「我々がフォーミュラEとDTMのプログラムを継続すると決めたことで、アウディスポーツとしてはワークスプログラムで活動可能なキャパシティをフルに使い切る状況になっているんだ」と説明するガス。
また、アウディの上級役員レベルでDTMへの活動継続を決めたことが、WorldRX撤退の主な要因にもなった、とも付け加えた。