「我々がE-WorldRXに大いなる関心があったとしても、すでにフォーミュラEへの本格的なコミットメントを通じて、エレクトリック・モータースポーツの分野で得られる巨大なリソースとプログラムを有している。このプロジェクトに加えて、DTMかE-WorldRXかの選択を迫られた際に、その答えは明白だった」

「我々にとって技術的な投資とそのフィードバックの観点からも、伝統的な内燃機関の可能性を追求するDTMと、フォーミュラEでの電動モータースポーツの広域的な取り組みというバランスから、これが最善の妥協点だったと考えている」

「つまり(WorldRX撤退という)この決定は、E-WorldRXに対するネガティブな発想から下されたわけではなく、あくまでDTMで最新の4気筒直噴ターボの技術開発を行う、という前向きな決断の影響によるものなんだ」

 WorldRXで2018年シーズンの戦いを続けているEKSのアウディS1 EKS RXクワトロに関しては、残る4戦に向け「引き続き、アウディスポーツとして全力でマシン開発に取り組む」とも明言。

 さらに、DTM活動継続の際に“付帯条件”としていた2020年以降に向けても、仮に3メーカーのDTM参戦が具現化しなかった場合なども考慮し、引き続きWorldRXの再評価を続けていく、とも語っている。

「もちろんラリークロスは興味深いコンセプトであり続けている。我々としても引き続き状況に注意を払い、推移を見守っていく」

 これにより、EKSの2019年シーズンからの活動については不透明な状況となったが、長年アウディの顔としてDTM、そしてラリークロスでの活躍を演じてきたマティアス・エクストロームに加え、2017年末のフォード撤退の余波で今季からアウディスポーツの一員となった26歳のアンドレアス・バッケルドに対しても「そのパフォーマンスと才能には非常に感銘を受けた」とし、将来の協力について前向きに話し合いを続け「できることがあり条件が整うなら、引き続き彼とも仕事を続けていきたい」としている。

DTM側の状況推移を見守りつつ、成り行き次第ではE-WolrdXへの関与も検討する、とアウディ
カスタマーチームとして参戦継続か、それとも。難しい決断を迫られたエクストローム(右)とアンドレアス・バッケルド

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