フランスを代表するモータースポーツとして知られる“氷上の格闘技”こと『アンドロス・トロフィー』シリーズで、2019/20シーズンからトップカテゴリークラスの車両がフル電動化されることを受け、これまでトップチームとして活躍を演じてきたDAレーシングをバックアップする形で、ルノーがワークス復帰を決断。3年間の契約で新型『ルノーZOE』を投入することが明らかになった。
かつてイバン・ミューラーが10度のシリーズ王者に輝き、F1やWRC世界ラリー選手権、ツーリングカーなど異種目のスタードライバーが数多く参戦してきたアンドロス・トロフィーは氷上、雪上を舞台に行われるラリークロス競技のひとつ。2010/11シーズンからアンドロス・エレクトリックという電動マシンクラスが設けられている。
同クラスでは、ニコラ・プロストが初代王者から連覇を果たし、2017/18シーズンにはオーレリアン・パニスがタイトルを獲得するなど、段階的にエレクトリック車両の導入を進めてきた。
そしてこの電動車両クラスが、満を持してこの2019/20から従来のエリート・プロクラスに代わってトップカテゴリーに据えられることが決まり、自動車市場でもいち早く電動化を推進してきたルノーがファクトリープログラムを開始することを決断した。
そのルノーとのジョイントが決まったDAレーシングは、アルプスを本拠地とするレーシングチームで、WolrdRX世界ラリークロス選手権への参戦と並行して、このアンドロス・トロフィーでは名門チームとして活躍。過去4シーズンはルノー・クリオ、同キャプチャーのボディを架装したマシンでエリート・プロ・クラスを戦い、ジャン-バティスト・デュブールが4連覇を達成している。
この新トップカテゴリー・クラスに投入されるのは、2019年6月に新型に切り替わったEVモデルの『ルノーZOE(ゾエ)』となり、フランス本国を始めとした欧州では7年ぶりのフルモデルチェンジで2世代目へと移行している1台だ。