FIAの世界選手権格式となるWorldRX世界ラリークロス選手権の元王者で、DTMドイツ・ツーリングカー選手権覇者でもあるマティアス・エクストロームが、2020年のWorldRX開幕戦に電撃復帰することが決定。8月22~23日の週末にスウェーデンの“聖地”ホーリエスで開催される第1戦にKYB Team JCから参戦し、ロビン・ラーソンとともにアウディS1 RXクワトロのステアリングを握ることが発表された。
ラリークロス競技への散発的なエントリーを経て、2014年から自らが立ち上げた組織となるTeam EKS RXを率いてこの世界選手権にチャレンジしたエクストロームは、その後の数シーズンにわたりAudi Sportのファクトリーチームとして活躍。2014年、2015年にそれぞれ年間1勝と勇躍の時を経て、2016年にはシーズン4勝を挙げて見事にワールドチャンピオンの称号を手にしていた。
2018年を最後に一旦このプログラムは終焉を迎えたものの、エクストローム自身はドライバーとして2019年のベルギー・スパ戦にワイルドカード参戦を果たし、今回復帰参戦が決まったチーム母体、JC Raceteknikとともに戦った経験を有しており、同年秋には同じパッケージでラリークロス・ノルディックにも出場している。
今回実現したエクストロームのWorldRX復帰は、すでに2020年シーズンに向けKYB Team JCのレギュラーに起用されていたラトビア出身のヤニス・バウマニスが、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響で予算上の問題が生じたことが発端となった。
「ラリークロス用のマシンは速くて面白いし、ドライブするときはいつだって最高に楽しいものだ」と復帰の喜びを語ったエクストローム。
「昨年、地元スウェーデンのティエップで開催されたイベントで、ロビン(ラーソン)をサポートする機会があって、それ以来のJCとのジョイントはとても良い感触だよ」