更新日: 2020.08.29 23:39
WorldRX開幕戦:主役級の競演。元王者クリストファーソンとエクストロームが開幕ウイン
2020年のWorldRX世界ラリークロス選手権がスウェーデンで開幕。シリーズ史上初の週末ダブルヘッダーとして8月22~23日争われた土曜のオープニングは、2017-18年を連覇したヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロGTI RXスーパーカー)が復帰戦を飾る今季初勝利。続く日曜の第2戦は、KYBチームJCから急きょエントリーの2016年王者のマティアス・エクストローム(アウディS1 RXクワトロ)が制し、チャンピオン揃い踏みの週末となった。
ラリークロスの聖地“ホーリエス”で迎えた2020年の開幕は、トップドライバーたちのドライビングを堪能するに相応しい豪雨のコンデションでスタートとなり、総勢17台のRXスーパーカーがシーズンの趨勢を占う予選ヒートへと臨んだ。
その難コンディションで格の違いを見せつけたのが2年ぶりの復帰となるクリストファーソンで、今季はファミリーチームであるKMS(クリストファーソン・モータースポーツ)がオペレートするフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスのポロGTIをドライブ。ドイツ・ハノーヴァー製のファクトリーマシンとは異なるマシンスペックながら、Q2を除く3セッションでトップタイムを記録してみせた。
一方、このWorldRXでかつては自らのチームであるEKSを率いて戦ったエクストロームは、その流れを汲む勝手知ったるアウディS1を操って予選ヒートQ2を制し、唯一クリストファーソンの予選パーフェクトを阻止する速さを披露した。
そのままTQ(top qualifier)となったクリストファーソンがセミファイナル1を、エクストロームがセミファイナル2を制し順当に駒を進めると、引き続きマッド・コンディションとなったファイナルでも両名が予選ヒートどおりのスピードを誇示し、6周のチェッカー。クリストファーソンが自らのシリーズ復帰を祝うと同時に、WorldRX自身通算21勝目と幸先の良い開幕勝利を手にした。
「とても良い気分だ。Q1は少しトリッキーなコンディションになったけど、そこで良い結果を出したことで、その後の展開が少し有利になった。わずかに天候が回復したセミファイナルで、マシンのセットアップを変更したけど機能せず、困っていたらファイナルはふたたび雨になった」と振り返ったクリストファーソン。
一方、そのオープニングラップでは2019年チャンピオンのティミー・ハンセン(プジョー208WRXスーパーカー/チーム・ハンセン)とのバトルで、GCKビルシュタインのルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカーをドライブするアントン・マルクランドに接触によるペナルティ裁定が下り、代わってティモ・シャイダー(セアト・イビーザRXスーパーカー/ALL-INKL.COMムエニッヒ・モータースポーツ)が、自身初の3位表彰台を獲得している。