■Mスポーツ:“3度目の正直”なるか

Mスポーツが開発中の17年型フォード・フィエスタRS WRC
Mスポーツが開発中の17年型フォード・フィエスタRS WRC

 マーカス・グロンホルムが去って以降、Mスポーツにスポットライトが当たることは少なかった。しかし、チーム代表のマルコム・ウィルソンがここまで興奮しているのを見るのは初めてだ。

 実はウィルソンは2005年にローブと契約寸前のところまで行っていた(その年にローブは極秘でフォード・フィエスタRS・WRCをテストしていた)し、6年前にはオジエとも契約寸前のところまで行っていた。彼は今度こそ、フランス生まれの“セバスチャン”は逃さないと心に決めたのである。

 もしシトロエンにとって資金調達が問題となるようであれば、Mスポーツも同じ問題に直面するだろう。しかし、オジエが示したパフォーマンスによってシトロエンが財布の紐を緩めたように、Mスポーツと協力関係にあるフォードが利益を享受する可能性もあるかもしれない。

「彼に5度目のワールドチャンピオンを取らせてやれるだけのマシンはあると自負している」。オジエとの交渉の可能性を明らかにしたウィルソンはそう語る。

 Mスポーツのエンジニアリング力に疑いの余地はなく、2017年仕様フィエスタRS WRCはモータースポーツ関係者から賞賛の声を集めている。マシンのエアロダイナミクスについては、マティアス・エクストロームがウィルソンにわざわざ電話をかけて、ウイングやエアロスプリッターの配置について意見したという。

 その上、オジエとウィルソンは互いに尊敬し合う間柄だ。

 そして忘れてはならないのが、オジエは時おりサーキットレースへも参加したがっている。MスポーツがGTプログラムを始動させれば、あるいは……。

■トヨタ:荷が重すぎる?

トヨタが2017年WRCに投入するヤリスWRC
トヨタが2017年WRCに投入するヤリスWRC

 この選択肢は、現在あるもののなかでもっとも実現性が高いものであるべきだ。

 トヨタのWRC復帰については、今年多くの人々が議論を行ってきた。チームの開発スケジュールも断続的に早まったり、遅れたりを繰り返してきた。

 オジエにとって、トヨタ加入は最大のギャンブルになるだろう。しかし、このチームは現在残されている選択肢のなかでは、もっとも高い給料を支払い、長期契約をオファーすることは間違いない。

 また、今週末のWRC第13戦オーストラリア終了後にオジエはフォルクスワーゲンの一流エンジニアを引き連れて、トヨタのファクトリーを訪れる可能性もあるかもしれない。

 チーム代表のトミ・マキネンが興味を示していることは疑いようがない。ただ、ワールチャンピオンを招き入れることは、WRC復帰初年度のトヨタには荷が重すぎるかもしれない。

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