9月18~19日に、2021年シーズン初の“ダブルヘッダー”戦が開催されたWorldRX世界ラリークロス選手権第4/5戦は、ここ2戦不調が続いていたニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20RXスーパーカー/GRX-SETワールドラリークロス・チーム)が初日土曜に急上昇を見せ、アクション満載のオープニングデイを制覇し今季初優勝。続く日曜は、こちらも開幕4戦で度重なる不運に見舞われて来た3冠王者ヨハン・クリストファーソン(アウディS1 RXクワトロ/KYB EKS JC)が、シーズン初勝利を手にしている。
イベント開催直前になり、2016年の世界王者であるマティアス・エクストロームがALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツに電撃加入し、セアト・イビーザRXスーパーカーをドライブすることが決まるなど、華やかなニュースで幕を開けたリガダブルヘッダー戦。高速トラック、ビチェルニエク国際スポーツベースでのイベントは、2021年に入り開幕3戦連続で“兄弟ワン・ツー”を達成しているティミー&ケビンのハンセン・ブラザーズを止めるドライバーが現れるかに注目が集まった。
その筆頭候補と目された2017、2018、そして2020年王者のクリストファーソンは、初日公式練習からQ1ヒートで最速を記録する快調な滑り出しを見せ、トラブルやアクシデントに泣かされた序盤4戦の汚名返上を期すドライビングを披露する。
また、Q2ヒートではその3冠王者の宿命のライバルとして、ラリークロス界に確固たる地位を築いた2016年チャンピオンのエクストロームが、初ドライブのセアト・イビーザでトップタイムを記録するなど、マシンの戦闘力が一線級にまで熟成されたことを示すスピードを発揮した。
そのふたりに割って入るように、Q3で最速としたのがヒュンダイi20RXスーパーカーのグロンホルムで、セミファイナル1を制したクリストファーソンに対し、ケビン・ハンセン(プジョー208 WRXスーパーカー/ハンセン・ワールドラリークロス・チーム)やティモ・シャイダー(セアト・イビーザRXスーパーカー/ALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツ)らを降し、同じく6周のセミファイナル2を全体最速のタイムで勝利し順当にファイナルへと駒を進めた。
フロントロウに並んだクリストファーソンのアウディとグロンホルムのヒュンダイは、オープニングラップのターン1で明暗クッキリの展開となり、グロンホルムの接触により弾かれたクリストファーソンはスピンを喫し、このバトルが実質的な決着に。
鋭いラウンチで2番手に進出していたシャイダーもジョーカーラップへ進入する直前にトラブルでレースを終え、最終的に今季ここまで全戦でファイナル進出を果たしているクリスティアン・サボー(ヒュンダイi20RXスーパーカー/GRX-SETワールドラリークロス・チーム)をパスしたティミー&ケビンのハンセン兄弟が表彰台の脇を固めるリザルトとなった。