WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアは4月23日、競技2日目に入りデイ2のSS9~16が行われた。前日のデイ1で後続を1分以上引き離してみせたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が依然としてラリーをリードしているが、総合2番手につけるオット・タナク(ヒョンデ[旧ヒュンダイ]i20 Nラリー1)の猛チャージにより、その差は19.9秒に縮まった。勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6番手につけている。
2022年シーズン最初のフル・ターマック(舗装路)ラリーとして行われている今大会の初日は、雨のなかTOYOTA GAZOO Racing WRTのロバンペラが独走。初日終了時点で2番手につけたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に対し1分04秒ものギャップを築いた。
明けた23日(土)のデイ2は、ヌービルが前日のリエゾン(移動区間)での速度違反によるペナルティで後退したため、首位から1分23秒3おくれたタナクが総合2番手となった状態でスタートを迎えた。
サービスパークが置かれる首都ザグレブの南西エリアとアドリア海に近い西側エリアでの戦いとなった競技2日目は、SS11を除いて雨に降られることはなかったが、路面は濡れた場所と乾いた場所が入り交じるダンプコンディションに。
そんななか、ロバンペラとタナクのみが午前中のタイヤ選択でウエットタイヤ4本とドライ用のソフトタイヤ2本をチョイス。これが降雨と霧によってフルウエットとなったSS11で威力を発揮した。首位と1分12秒7の差で同ステージを迎えたタナクは、ウエットタイヤを2本しか選ばなかったライバルたちに対して18.6秒差をつけるベストタイムを記録してみせる。
一方、ロバンペラも同ステージでライバルたちにさらなるギャップを築けるはずだったが、左フロントタイヤのパンクによって反対に大きくタイムを失うことに。続くSS12をもって午前のループを終えたとき、トップ2台のタイム差は16.8秒にまで縮まった。
その後もタナクのチャージは続き、一時は両者の差が13秒となったが、天候不良のためステージキャンセルとなったSS15の後に行われたデイ2最後のSS16ではロバンペラがベストタイムをマーク。これに対しタナクが5.1秒遅れたため、最終日を前にしたトップ2のタイム差は19.9秒となっている。