IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権は3月16日、2019年シーズン第2戦セブリング12時間の決勝レースがアメリカ・フロリダ州のセブリングで行われ、マツダチーム・ヨーストは55号車マツダRT24-P(ジョナサン・ボマリート/オリビエ・プラ/ハリー・ティンクネル組)が総合6位、77号車マツダ(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス/ティモ・ベルンハルト組)はクラス11位/総合37位でチェッカーを受けた。
マツダが歴代最速タイムでポールポジションを獲得した、開幕戦デイトナ24時間から7週間後の開催となった第2戦セブリング。2019年大会で67回目を数える伝統の一戦に、チームは2台のマツダRT24-Pを投入し悲願の初優勝を目指した。
迎えた決勝はあいにくの雨模様。レースはセーフティカーの先導でスタートが切られると、そのまま長いSCランが続いていく。この間にコース上ではブロワー車を使った路面コンディションの回復作業が行われ、その甲斐あってスタートから約40分後にグリーンフラッグ振動となった。
前日の予選で2番手グリッドを獲得した77号車マツダは、ヌネスが好スタートを切り、ターン1でポールシッターのアキュラ・チーム・ペンスキー、6号車アキュラARX-05をオーバーテイクしてトップに浮上する。その後、77号車はリスクを避けるためペースを落としたことで順位を3番手とするが、ヌネスは表彰台圏内をキープしたままベルンハルトにバトンを渡した。
助っ人参戦のベルンハルトもヌネスと同様に良いペースで周回を重ねていくが、スタートから2時間過ぎに突如コース上でストップしてしまう。77号車の車内からは白煙が上がり、オフィシャルの消火作業を受けてガレージに戻されることとなる。
チームはすぐさま、このアクシデントの原因が電気配線のショートであることをつきとめると、当該箇所を修復。時間を要することにはなったものの、レース中盤にマシンをコースに復帰させることに成功した。最終的に77号車はクラス11位でチェッカーフラッグを受けることになったが、その終盤のペースは時に上位を走るクルマを上回るものだった。
「僕のホームグラウンドであり、もっとも好きなセブリング12時間でトップを走れたのは、素晴らしい体験だったよ」と語ったヌネス。
「雨のレースはいろんなことが起きるけれど、やりがいはある。このレースのオープニングスティントを任せてもらったことは、僕のキャリアにとって最大のチャレンジだったと思うんだ」
「また、“飽くなき挑戦”精神でクルマを修理してくれたチームに感謝しているよ。彼らのおかげで、クルマをフィニッシュラインまで運ぶことができたのだからね」
チームメイトのジャービスもまた、「クルマをリペアしてくれたクルー達に感謝している」とメカニックを労う。
「僕はトリスタン(・ヌネス)のすごい予選タイムや、雨のなかのオープニングラップを見ていたので、僕たちのクルマにはこのレースで勝利する資格があると確信していたんだ」
「(事実、)修理後にはレースリーダーと同等の速さで走れていた。(マツダRT24-Pの)ポテンシャルは間違いなく高いので、ロングビーチ戦に戻ってくることを楽しみにしているよ」と次戦への抱負を述べている。