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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.07.21 10:33

LMDh車両でのWEC参戦は「明言できない」2023年はワークス活動に集中へ【BMWモータースポーツ代表に聞く/前編】

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ル・マン/WEC | LMDh車両でのWEC参戦は「明言できない」2023年はワークス活動に集中へ【BMWモータースポーツ代表に聞く/前編】

 2022年のル・マン24時間レース開催期間中の6月6日に、2023年デビュー予定の新型LMDh車両『BMW M ハイブリッドV8』を正式発表したBMW。彼らは当初より、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参戦を明言していたが、ル・マンのパドックもこのBMWの発表には大いに沸いた。

 当然ながら、今後はル・マン24時間含むWEC世界耐久選手権への参戦もあるのではないか? という噂も、ル・マンで飛び交っていた。そのあたりの現状を含め、後日ミュンヘンのBMWモータースポーツで、アンドレアス・ルース代表に話を聞いた。

 なお、ルース氏は2021年9月までアウディスポーツのワークスチームのプロジェクトマネージャーを務め、LMP1やDTMのワークス活動の総括等、アウディスポーツの幹部として長年勤務していた人物である。

──今年のル・マンではBMWが来季WEC及び、ル・マン24時間レースへ参戦するのではないか、という噂が飛び交っていましたが、実際のところはいかがでしょうか?
アンドレアス・ルース(AR):
WECプログラムを始動するということになれば、ACO(フランス西部自動車クラブ。WECおよびル・マンのオーガナイザー)代表のピエール・フィヨンらとさざまざな条件に関して話し合いを重ねる必要があるが、現在BMWとしてはWECに正式に参戦するかどうかは、明言できない。もちろん、いつの日かあの場に再びBMWが姿を現せるならば、そんな喜ばしいことはない。

──現時点での活動予定は、IMSAのみということですね?
AR:
そのとおり。2023年からワークス車両2台でIMSAへ参戦することは決定している。

──2024年からはLMDhマシンのカスタマーチームへのデリバリー/レース活動という予定もあるのでしょうか?
AR:
それに関しては、まだ白紙の状態だ。もちろん、カスタマーチームがBMWのLMDhマシンを購入して、レース活動をしてくれると嬉しい。現時点でも複数のチームから車両購入に関しての問い合わせは入っている。しかし、まずは2023年のデイトナ(24時間/IMSAのシーズン開幕戦)のスタートグリッドにワークスの2台を無事に並ばせられるように準備に勤しんでいるところだ。

 マシンが実戦でポテンシャルをどれだけ発揮できるのか、どう成長を見せるのか、またいままでのGTプログラムとは異なるチームの動き方など、学ばなければならない点が多いだけに、2023年はワークス活動に集中すべきだとの考えを持っている。また、ワークス車両が安定したら、カスタマーチームへの車両販売やテクニカルサポートプログラム等を展開する可能性も出てくるだろう。

──あなたは今年6月のル・マン24時間レースを訪れていましたね。
AR:
そのとおり。2016年に訪れたのが最後だったので、かなり久しぶりだったが、ほとんど何も変わっておらず、あまりギャップは感じなかった。2016年時点でパドックにいた人々もまだ多く活動しており、仲間たちに会えて嬉しかった。2017年からはテレビ観戦をしていたので、実際のル・マンに来るとやはりここにきて良かった、と思えた。今年はいつにもまして観客が多かったように感じた。

──いまのところWECやル・マンに参戦するかどうかは決まっていないとおっしゃっていますが、BMWの代表がル・マンへ直接足を運んだという事は、決して手ぶらではドイツへ戻っていない、と解釈してよいのですか? あなたの前職でのつながりを活かし、WRT等、さまざまなチームと話し合いの場を持ったのでは?(※現在、BMWのLMDhのプロジェクトリーダーを務めるのは、WRTから移籍組のマウリツィオ・レスキュッタ氏である)
AR:
前職のアウディではル・マンにも長年参戦していたので、その際に培った業界関係者との多くのコネクションは、LMP1活動が終了した後もずっと継続していた。昨年秋までアウディに勤務していたこともあり、当然ながらそれらの関係者とはル・マンで個別に会っているし、せっかくル・マンまで足を運んでいたのだから、その機会を有効活用しなければならない。

 アウディ時代にLMP1とDTMで最も長くタッグを組んだトム・クリステンセンとは、いまも親密な関係だ。BMWモータースポーツの代表に就いたことを誰よりも喜び、応援してくれている。LMDhプロジェクトでもよき相談相手で、いまもしょっちゅう電話をし合う仲だ。

 私の職場はアウディからBMWへ変わったけれど、レース関係者との関係は全く変わっていない。だが、まだBMWがWEC活動を正式に決定しておらず、カスタマー用のマシンの用意が確定できない状況で、具体的な話はできないが、いくつかのチームと面会の時間を持ったことは否定しない。もしも、WEC参戦が正式に決定したのなら、チームらと具体的に詳細な話し合いの機会を持つつもりだ。

6月6日、BMWが発表した新型LMDhマシン、『BMW MハイブリッドV8』
6月6日、BMWが発表した新型LMDhマシン、『BMW MハイブリッドV8』

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