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投稿日: 2018.04.30 20:45
更新日: 2018.05.01 12:46

スーパーフォーミュラ:関口雄飛 2018第1戦鈴鹿 決勝レポート

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スーパーフォーミュラ | スーパーフォーミュラ:関口雄飛 2018第1戦鈴鹿 決勝レポート

 昨年の開幕戦は総走行距離250kmの戦いでしたが、今回のレースは300kmの戦いです。燃費を考えると、最初のピットインは15周以降でなければ、自動的に2ピット戦略を取るしかありません。最後の合同テストでソフトタイヤのロングランを実施できなかった関口雄飛にとって、予選14番手からの開幕戦は、いきなり予想もしなかった、試練の戦いとなりました。
 
 決勝当日、朝のフリー走行では、マシンのバランスの良さを再確認。決勝レースに向けて闘志が高まってきます。もはや失うものは何もないポジションなので、ライバルたちと同じ戦略ではそれを抜くことが難しく、攻めの戦略を取ることを覚悟していました。
 
 今年からチームの戦略アドバイザー的なポジションに就任した星野一樹選手が、スタート前のグリッドで各車のタイヤをチェック。先頭集団が概ねミディアムタイヤでスタートすることを確認すると、ソフトタイヤでのスタートをアドバイスしてくれました。関口雄飛はグリッド上で、ふたつ返事でその提案を受け、覚悟を決めました。
 
 ソフトタイヤでのスタートにおける勝利の鍵は、燃費とタイヤ摩耗です。それをドライビングでコントロールできるか、否かが今回のレースの焦点となりました。
 
 実際、決勝レースが始まると、上位陣がミディアムタイヤで均衡したバトルを展開し、あえてソフトタイヤを選択したチームや、軽い燃料搭載量でスタートしたマシンが素晴らしいパフォーマンスを見せましたが、数周でタイヤがタレはじめ、早めのピットインをせざるを得ませんでした。
 
 一方の関口雄飛は、チームから寄せられた期待に十分応え、燃費走行をしながらソフトタイヤの特性を生かしたハイペースで周回を重ねます。1周目に12番手でコントロールラインを通過すると、15周目に11位、16周目に10位、19周目に9位へとポジションアップ。誰よりも多くソフトタイヤで走り切った関口雄飛は、24周目、14番手から大きくポジションを上げ、6位という入賞圏内でピット作業に飛び込みました。
 
 ITOCHUENEXTEAMIMPULの勝利への執念が一丸となって、関口雄飛をピットストップ最短時間となる13秒8でミディアムタイヤに交換し、コースに戻しました。チームメイトの平川亮選手の前でレースに復帰した関口雄飛でしたが、タイヤがすでに温まっている状態の平川亮選手がヘアピンで関口雄飛のインを刺そうとして左前輪をロックさせてしまい、2台は接触。平川選手のマシンは宙を舞って、そのままスポンジバリアに突き刺さりました。
 
 一瞬、あわやと思わされたアクシデントでしたが、幸い関口雄飛のマシンに致命的なダメージはなく、気を取り直してふたたびハイペースな燃費走行で前を追います。
 
 レース終盤、トップ集団の中から2台が2ピット作戦のためにピットイン。労せずして関口雄飛は2位まで浮上すると、そこから1周1秒から2秒近いハイペースでトップのマシンを追い詰め始めました。40周目に10秒以上あった差を、45周目に8秒6、46周目に7秒4、47周目に5秒8、48周目に4秒2と縮め、トップのマシンがその視野に入るところまで追い続けましたが、最終的に1.7秒まで詰めたところでチェッカーとなりました。
 
 その結果、関口雄飛は、開幕戦の鈴鹿で、2位表彰台に登ることができました。レース後、星野監督は、「今日の関口は凄いよ。優勝以上に価値ある2位だ。予選の不運がなければぶっちぎりだったかも知れない速さだ。本当、最高に気分いいね。いいレースだった」と満面の笑顔で語りました。
 

■関口雄飛のコメント


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