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投稿日: 2018.08.18 22:05
更新日: 2018.08.19 09:50

決勝の鍵を握る上位のレースペースと2ピット戦略組。スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ予選《あと読み》

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スーパーフォーミュラ | 決勝の鍵を握る上位のレースペースと2ピット戦略組。スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ予選《あと読み》

 その後、予選Q2、Q3では野尻、松下、そして石浦の3台が入れ替わりトップタイムを奪う展開で、Q3最後のアタックを決めた石浦がレコードタイムを更新して、今季初となるポールポジションを獲得した。

 一方、ランキング3位の石浦とタイトルを争うランキングトップの山本尚貴(TEAM MUGEN)は予選7番手、ランキング2位のニック・キャシディ(KONDO RACING)は5位とやや低迷したように見えるが、山本車を担当する阿部和也エンジニアによると「持ち込みのセットアップが全然合わなかったので、予選Q3に進めるとは思っていなかった。練習走行から予選に向けてセットアップを変えてQ3に行けたので良かったです」と、安堵の表情。

 山本とTEAM MUGENは苦しい展開のなかで望外の喜びとなったようだが、セットアップに苦労していることは間違いなく、決勝までにどのように修正してくるのか。チャンピオン争いのライバルであるキャシディ、石浦との順位関係は大きな見どころのひとつとなる。

 決勝の優勝争いに目を移すと、ポールの石浦に死角が見当たらない。むしろ、2番手の野尻、3番手松下は前戦の富士でもそうだったようにレースでのロングラン、タイヤのグリップが落ち始めてからのラップタイムの落ち込みがライバル陣営より大きく、ポールの石浦に対して大きなディスアドバンテージになる可能性が大きい。

 ロングランにやや難があるのはダンデライアンのクルマのセットアップなのか、それともホンダエンジンのドライバビリティとセットアップの組み合わせなのか、その原因はわからない。いずれにしてもロングランでの低速域でのリヤのグリップ不足は野尻、松下の課題になる。優勝を狙うために、野尻、松下としてはスタートで石浦の前を奪うのが理想的だが、果たしてどのような1周目になるか。

 レース戦略的にはソフトタイヤとミディアムタイヤのタイム差は1秒以上ありそうで、ミディアムタイヤのラップタイムが厳しくなるぶん、ソフトタイヤをいかに長く使えるかが勝負の分かれ目となる。上位グリッドのドライバーは1ピットの正攻法で臨むことは間違いなく、スタートでソフトタイヤを装着して、どこまで保たせられるかがポイントになりそうだ。

 その逆となるリバースストラテジー組、ミディアムタイヤでのスタートをどのドライバーが選択するのか。また、ピットロードの短いもてぎでは昨年の塚越広大(REAL RACING)のように燃料を軽めのスタートで2ピット戦略(ソフトーソフトーミディアム)を採用しやすい。オーバーテイクを連発して上位を目指すという戦い方も多くのチームで見られることになりそう。

 ピットストップ回数が多くなり、接戦となるとピットストップ時間も勝敗を分けるターニングポイントになる。今回からTEAM MUGENなど、このもてぎ戦から自動ジャッキを導入してきたチームも多いようで、今年のピットストップの重要デバイスとなっているチーム独自の自動ジャッキシステムにも注目してみたい。

 残り3レースとなった2018年シーズンのスーパーフォーミュラ。ランキング3位の石浦がポールポジションを獲得したことで、明日の優勝争いとチャンピオンのランキング争いがダイレクトに連動する展開になった。

ダンデライアンの2台のレースペースが優勝争いの大きなポイントか

「このカテゴリーでのシーズン途中の参戦はやっぱり難しい。ソフトタイヤのグリップは大きかった」と予選を振り返ったスポット参戦のオリベイラ

チームメイトのキャシディに続いて予選6番手からスタートする山下健太


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