オートポリスで開催される予定だったスーパーフォーミュラ第2戦予選が、残念ながら悪天候により、翌日の日曜日開催に延期となってしまった。この延期によって残念な思いの関係者は多いが、そのなかでも複雑な心境なのが牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)だ。牧野のその後と、一日ずれることになった予選のポイントをまとめた。
牧野は土曜日午前のフリー走行で不運にもハイドロプレーニングでスピン、第2ヘアピン前の高速コーナーで飛び出し、ガードレールにクラッシュしてしまった。
「前にクルマが2台くらいいて、その2台にすごい勢いで追いついたので抜こうと思って少し左側にラインを外したんですね。その瞬間、川か水たまりに入ってしまって、コントロールを失ってしまいました」と牧野。
ドライブレコーダーでは、コントロールを失った牧野のマシンがコマのように回転しながら、芝生で速度がほとんど落ちないまま左サイドからガードレールにぶつかっている様子が見られた。
「ガードレールに直接ぶつかってしまったので当たった直後はよく分からなくて、最初は右膝の痛みを感じたんですけど、レスキューに乗ってしばらく時間が経ってから左腕(二の腕あたり)がどんどん痛くなってきました。今も腫れていて痛いです(苦笑)」
幸い、FIA-F2時代にクラッシュで右手首を負傷したが、そちらは無事だったとのこと。その牧野にとっては予選が日曜日に延期になったことはラッキーだったと言えるが……。
「でも、ウエットでウチのクルマはすごく調子が良さそうだったので……ちょっと複雑な心境です(苦笑)。身体のことを考えれば大事を取れたので良かったと思います。クルマも修理の時間が出来またし。でも、明日、走ってからでないと分からないですね」と牧野。
クルマはメカニックの懸命の作業で、実は土曜日の予選開始時には修復が終わっていた。この土曜日はどのチームも慌ただしい一日となったが、牧野、そしてナカジマレーシングにとっては特に濃密な一日だったに違いない。
その予選は明日、日曜の午前8時45分から40分間、計時予選という形で行われることになった。
今週末はドライタイヤを使用していないので(金曜専有走行は前回からの持ち越しタイヤ)、新品のミディアム2セット、ソフト2セットをどのドライバーも所有しているが、日曜の予選40分間での、この新品4セットのタイヤの使い方が大きな勝負どころとなりそうだ。