午後2時15分に決勝レースがスタートした。今回は変則スケジュールを受けて決勝レース距離は35周(168.035km)に短縮、レース中の給油は禁止でタイヤ交換義務は設けないという特別規則が適用された。
レース前に1台が出走を取りやめたのでカルデロンは18番手ポジションからスタート、最後尾で慎重にレースを開始、トップ争いからは約0.5秒遅れとなる1分37秒台後半のタイムで周回を始めた。チームは、1分37秒台後半から38秒にかかる程度のラップタイムならばレース中盤に敢えてタイヤ交換を行った方がトータルの走行時間が短くなるのではないかとも考えていた。
トップ15周目、カルデロンの前方を走っていたNo.15笹原右京選手がタイヤ交換のためピットインし、コースに復帰したところペースが上がったのを確認したチームは、カルデロンのラップタイムが10周目を過ぎて1分38秒台へ低下してきたことも考え合わせ、17周終了時点でタイヤ交換のためピットインするようカルデロンに指示した。
カルデロンは指示を受けてピットイン、フレッシュタイヤへ交換をしてコースに復帰すると、1分36秒台のラップタイムで走り始めた。
コースに復帰した時点でカルデロンのポジションは最後尾16番手だったが、その後ピットインしたりレースから脱落したりする選手が現れ、ポジションは徐々に繰り上がり21周目には12番手まで繰り上がった。
レース終盤、ピットインして遅れていたNo.5山本尚貴選手が猛然と追い上げてきた。最終ラップの90度コーナーではカルデロンのインに飛び込んできたがカルデロンはこれを押さえ込み、わずかに接触しながらもポジションを譲らず最終コーナーを駆け抜け、12位でチェッカーフラッグを受けた。
シリーズ第2戦は9月26日~27日、岡山県の岡山国際サーキットで開催予定だが、カルデロンは前週にル・マン24時間レース出走を予定しており、新型コロナウイルス感染防止に伴う入国管理次第ではふたたび入国に難航する可能性もある。
■コメント
タチアナ・カルデロン選手
「今年の私にとってスーパーフォーミュラは最大の目標ですが、日本に入国できるかどうか不安はありました。でも、とにかくSFのためにハードなトレーニングを続けて用意をしていました」
「初めてのもてぎはとっても暑かった。SFはFIA-F2とはやはりずいぶん異なるカテゴリーでした。F2は、タイヤのマネージメントを考えるとプッシュし過ぎが良くない結果を招く場合もありますが、SFはスタートからフィニッシュまで全力でプッシュし続けなければなりません。身体にかかる負荷もずっと大きく、ちょっとでも気を抜いたらダメというレースだと感じました」
「もちろん、自分にもチームにもいろいろな点で改善していかなければならない課題も見つかりました」
「ラストラップは、もちろん山本選手に譲る気はありませんでした。お互い戦っているわけですから。でも彼は非常にフェアに走ってくれました。次は、もっと良いレースができると思います。まずはQ2に進むのが課題です。レースではポイントが欲しいです」
「ただ、ル・マン24時間レースに出るつもりなので、それが影響して入国できない可能性がありますが、なんとかして日本へ帰ってくるつもりでいます」