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投稿日: 2021.04.04 16:29
更新日: 2021.04.04 17:15

雨雲接近の難天候のなか、野尻が大湯を抜き返して開幕戦勝利【第1戦富士決勝】

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スーパーフォーミュラ | 雨雲接近の難天候のなか、野尻が大湯を抜き返して開幕戦勝利【第1戦富士決勝】

 2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝レース(41周)が行われ、ポールポジションからスタートした野尻智紀(TEAM MUGEN)がトップチェッカーを受けた。大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がそれぞれ2位、3位となり、ホンダ勢がトップ3を独占した。

 雨の予報に近づいていくように、徐々に分厚い雲に覆われていく富士スピードウェイ。それでもスタート進行のあいだには目立つような雨粒が落ちてくることはなく、ドライコンディションで41周の決勝レースがスタートした。

 ホールショットを奪ったのはフロントロウスタートの大湯で、野尻は2列目から好スタートを切ってチームメイトの笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をかわした福住にも迫られてしまう。野尻はなんとか2番手にはとどまったものの、オープニングラップは大湯に奪われてしまった。

 その後方ではスタート直後の集団のなかで大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)と関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が接触。2台はそれぞれマシンにダメージを負いピットインを余儀なくされた。またこの影響を受けたか、13番手スタートの中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)もコースオフを喫している。混乱をすり抜けた国本雄資(KCMG)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)らが大幅なポジションアップに成功した。

 2周目に入って野尻との差を2.4秒まで広げた大湯だったが、その後は野尻がペースを取り戻しじわじわと差を削ってくる。7周目にはその差が1秒を切り急接近。10周目のダンロップコーナーでオーバーテイクシステム(OTS)を駆使した野尻がアウト側から豪快に大湯をかわしていった。これで再びトップに返り咲いた野尻は、そのままハイペースを維持して大湯との差を広げていく。

 野尻が逃げていく一方で、大湯は逆に3番手の福住に迫られていく展開に。21周目に入るホームストレートで福住が一気に迫っていき、1コーナーでアウト側から並びかけていったが、OTSボタンから手を離したタイミングがわずかに早かったか、コカコーラコーナーまでオーバーテイクランプを点滅させ続けた大湯が猛追をしのぎ切った。それでも2台のテール・トゥ・ノーズの戦いは続き、福住は24周目の1コーナーで再び仕掛けにいく。

 今度はお互いのオーバーテイクランプが点滅を続けるなかで、クロスラインをとった福住がようやく大湯をパスしていった。続く25周目、大湯は笹原にもかわされ4番手に後退。たまらずピットロードへとステアリングを切った大湯は、上位陣のなかでは比較的早めの25周目にタイヤ交換を行った。

 フレッシュタイヤでプッシュする大湯のアンダーカットを阻止すべく、28周終了時点で福住が、翌周には笹原がピットイン。それぞれタイヤ交換後に大湯の前でコースに復帰するが、タイヤが温まるまでに時間がかかり、大湯の追撃をかわすことができず、ポジションは元に戻ってしまった。

 野尻が30周目に入るところで、レースはWET宣言が出された。この時点でまだタイヤ交換を済ませておらず上位を走行していたのは、野尻、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、中山雄一(KONDO RACING)の5台。WET宣言が出されたといっても、上空から落ちてくるのは霧雨程度で路面コンディションはさほど大きく変わらず、宮田、坪井、平川らはスリックタイヤへと交換。

 野尻は最後までタイヤ交換のタイミングを引っ張り、39周を終えるところでピットへと向かった。野尻もスリックタイヤをチョイスしトップを維持してコース復帰。再び2番手へと戻ってきた大湯との差は、ファイナルラップに入る時点で3.8秒となっていた。冷えたタイヤで慎重に走る野尻に対し、猛プッシュをかける大湯。

 セクター1で0.9秒、セクター2では全体ベストタイムをたたき出して1秒以上差を削り野尻に近づいていったが、ラスト1周では背後にまで迫ることはできず、野尻がポジションを守り切ってトップチェッカー。2021シーズンの初戦をポール・トゥ・ウインで制した。

 大湯は悔しい2位となったが、唯一1分22秒台のファステストラップを記録。3位には福住が入った。野尻と同じく終盤までタイヤ交換のタイミングを引っ張った平川は笹原の前でチェッカーを受け4位。5位の笹原に続き、スタートから10ポジションアップに成功した山本が6位となった。

2021スーパーフォーミュラ第1戦富士 優勝を飾り喜ぶ野尻智紀(TEAM MUGEN)
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2021スーパーフォーミュラ第1戦富士 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
2021スーパーフォーミュラ第1戦富士 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
2021スーパーフォーミュラ第1戦富士 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
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2021スーパーフォーミュラ第1戦富士の表彰台
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2021スーパーフォーミュラ第1戦富士 決勝レース30周目には雨粒が落ち始め、WET宣言が出された
2021スーパーフォーミュラ第1戦富士 決勝レース30周目には雨粒が落ち始め、WET宣言が出された


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