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投稿日: 2022.08.19 20:39

大クラッシュから復活遂げたフェネストラズ。新シャシーで臨むも「フィーリングが大きく変わっている」【第7&8戦もてぎプレビュー】

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スーパーフォーミュラ | 大クラッシュから復活遂げたフェネストラズ。新シャシーで臨むも「フィーリングが大きく変わっている」【第7&8戦もてぎプレビュー】

 2022シーズンも終盤に差し掛かった全日本スーパーフォーミュラ選手権。今週末、8月20〜21日はモビリティリゾートもてぎを舞台に第7戦・第8戦が行われる。注目は何と言ってもチャンピオン争いの行方で、ランキング首位を独走する野尻智紀(TEAM MUGEN)を止める者が現れるのか、というところだ。

 19日金曜日に行われた90分間の専有走行では、野尻の対抗馬と目されるランキング2番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL)が3番手と好調なスタートを見せた一方、第5戦SUGOで初優勝を飾り、ランキング3位につけるサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)はタイムを伸ばすことができず、21番手に終わった。やはり、前戦のクラッシュが大きく影響している様子だ。

 富士スピードウェイで行われた第6戦の決勝レース序盤に、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)と接触し、タイヤバリヤにクラッシュしたフェネストラズ。それはモノコックとエンジンが分離してしまうほどの激しいものだった。幸い、フェネストラズ自身は無事で、その後のレース参戦にも支障は出ていない様子だが、マシンは“ほぼ全損”状態で、このインターバルの間に、チームはモノコックを含めて、各パーツを揃え直し、イチからマシンを組み上げた。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

 もてぎ大会を前に、チームミーティングとシートポジションの確認も兼ねてファクトリーを訪れたというフェネストラズは、「正直、あのクラッシュは自分の中でも悪い思い出になってしまった。僕も最後にクルマを見たのは、クラッシュ後のバラバラになった状態だったから……。こうして新しく組み上がったクルマをファクトリーで見た時はすごく嬉しかった」と、当時を振り返る。

「この数週間、チームにとっても本当に大変だったと思う。その中でもメカニックのみんなが毎日頑張ってくれて、新しいクルマを仕上げてくれて、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。シーズンの終わりに、みんなをお礼のディナーに招待しないとね!」と、フェネストラズはチームスタッフに感謝の気持ちを述べることも忘れなかった。

 しかし、非常に繊細なマシンセットアップが求められる今のスーパーフォーミュラでは、モノコックが変わると、マシンのフィーリングにも変化が出てしまう。特に、金曜日の専有走行は新しくマシンを組み上げて、実質的なシェイクダウンだったこともあり、細かなトラブルに悩まされながらのセッションになったようだ。

「今日のセッションを終えて……正直、苦戦している。新しいクルマ、エンジン、ギヤボックスになって、何か大きく変わってしまったように感じている。走り始めは、かなり使い込んだタイヤを履いたこともあって、フィーリングもかなり違った。やっぱり、新しいシャシーになっているから、以前とは全く同じというわけにはいかない。特に剛性の部分は変わっているように感じる」

「終盤の20分も問題が発生して、一度ピットに戻ったりして……そこでいろいろと対応をしていたこともあってニュータイヤを試せないままセッションが終わってしまった。セッションの最後にニュータイヤを履かなかったから、本来ならもっと上の順位にいるのかもしれないけど、現状としてはやらなければいけないことが多い感じだ」

 いつになく険しい表情で専有走行の状況を説明したフェネストラズ。「今の段階では、どんな週末になるのか想像はつかない。今もチームと一生懸命取り組んでいるけど、何とか問題を解決して明日の予選に臨みたいとは思っている。やることがいっぱいという感じだ」と、予選に向けて最善は尽くそうと前向きに捉えようとしているものの、ここ数戦とは違う流れでの週末になりそうな雰囲気があった。

 逆転チャンピオンへ望みをつなげるためにも、今週末を含めた残り4戦で高得点が必要なフェネストラズ。この第7戦・第8戦は踏ん張りどころのレースになることは間違いないだろう。


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