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投稿日: 2019.05.06 15:42

D’station Racing AMR 2019スーパーGT第2戦富士 レースレポート


スーパーGT | D’station Racing AMR 2019スーパーGT第2戦富士 レースレポート

D’station Racing AMR

Race Report – 2019.05.06

ドライバーの頑張りで予選快走も
ウエットタイヤのトラブルが頻発

AUTOBACS SUPER GT 2019 SERIES
Round.2 FUJI

­­May 3 – 4 2019
Qualify : 9th Race : 27th

 2019年、アストンマーティン・AMRヴァンテージGT3とともに新たなスタートを切ったD’station Racing AMRだが、岡山国際サーキットでの開幕戦では、雨中のレースのなかで思わぬアクシデントに巻き込まれ、D’station Vantage GT3に大きなダメージを受けてしまった。5月3〜4日の第2戦まで時間がないなか、D’station Racing AMRは車両交換という苦渋の選択を迫られながらも、関係各所のさまざまな協力のおかげでこれを実現。第2戦に新たなD’station Vantage GT3を間に合わせることに成功した。

 迎えた第2戦の舞台は、チームの地元でもある富士スピードウェイ。5月3日の公式予選日から3万5800人もの観衆が集まり、晴天の下で午前8時50分から公式練習がスタートした。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラから藤井誠暢へと交代しながらD’station Vantage GT3を煮詰めていくが、1分37秒871というベストタイムで20番手でセッションを終えることになった。僅差ではあるが、ポジションとしては第1戦岡山と同様、性能調整に苦しめられている印象があった。

 ただ午後の公式予選に向けて、D’station Racing AMRはセットアップを煮詰めていく。午後2時30分にスタートした公式予選Q1ではオリベイラの持ち前のスピードにかけ、D’station Vantage GT3を送り出した。

 オリベイラは「改良を加えて速さを引き出してくれた」とQ1で1分37秒211というベストタイムを記録。近年のGT300は強力なライバルたちのなかでQ1突破は難しい壁ではあるが、そんななか見事13番手でQ2進出を果たしてみせた。

 これでQ2に繋げることに成功したが、オリベイラの頑張りに藤井も応えてみせる。D’station Vantage GT3の良好なバランスを感じ取った藤井は、今のマシンパフォーマンスを引き出すパーフェクトとも言えるアタックを決めると、1分36秒902というベストタイムでトップに浮上した。

 その後ライバルたちがタイムを記録し、D’station Vantage GT3の順位は少しずつ下がってはいったが、現状の厳しい性能調整を考えると、望外とも言える9番手グリッドを獲得することに成功。D’station Racing AMRは明るい雰囲気で予選日を締めくくることになった。

 明けて5月4日の決勝日は、朝から晴天となり、5万6000人ものファンが訪れ、午後2時30分からのスタートに向けて盛り上がりは最高潮に達していた。しかし、レース直前のウォームアップ走行からポツポツと雨が舞い始め、スターティンググリッドから雨は本降りとなる。

 ただ、第1戦岡山ではウエットのなかで素晴らしいスピードをみせていたD’station Vantage GT3にとっては、恵みの雨となる可能性もあった。スタートドライバーを務めた藤井は、スタート直後からD’station Vantage GT3をきっちりと9番手につけ、前を追っていく。しかし9周目、トヨペット100Rコーナーで藤井はリヤからマシンが壊れたかのような振動を感じ取った。冷静にコースにD’station Vantage GT3を留めた藤井はピットに戻るが、左リヤタイヤが剥離していることが発見される。チームはタイヤを換え、ふたたびD’station Vantage GT3をコースに戻した。

 しかし、ストレートで藤井はふたたび振動を感じる。またも左リヤタイヤのトラブルが起きたのだ。再度ピットインしたため順位は最下位に落ち、勝負権を失ってしまった。その後、オリベイラに交代してからも三たび左リヤタイヤが剥離。ガレージに戻されチェックを受けたが、マシンのトラブルではなかった。

 その頃には雨も止み、コース上はドライに転じていたため、D’station Vantage GT3はスリックタイヤを履きコースへ。上位はもう見えない周回差がついてしまったが、今後のレースも考え、オリベイラから藤井へ交代しながら、データ収集に徹し86周をこなしチェッカー。順位は27位だった。

 なぜ左リヤのウエットタイヤにトラブルが起き続けたか、まだ原因は分からない。ドライでの手ごたえは感じつつも、次戦に向け大きな課題を残した第2戦となった。

D'station Vantage GT3
D’station Vantage GT3
D'station Vantage GT3
D’station Vantage GT3

星野 敏
Satoshi Hoshino  Team Principal
残念な結果になってしまいましたね。ウエットタイヤのトラブルは車両の特性がひょっとすると関係しているのかもしれませんが、いずれにしろしっかりと検証しなければいけません。次戦鈴鹿まではそれほど時間がありませんが、全力で取り組んでいきたいと思います。公式予選まではドライバーふたりが本当に頑張ってくれて、いい順位につけていただけに、レースの結果はとても残念です。レースのなかでも課題が見つかりましたし、アストンマーティン・ヴァンテージGT3の特性をさらに把握していきたいと思います。応援ありがとうございました。

佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki  General Manager
ウエットタイヤのトラブルが頻発してしまいました。原因がまだ特定できていないですが、本当に不思議ですね。ちょっと困った状態になってしまいました。武田監督が原因を探っていくとは言ってくれていますが、タイヤ内圧の問題ではないようなので……。なかなか無いトラブルですよね。ドライタイヤに問題がないだけにますます分かりません。これではレースになりませんから。公式予選まではいいパフォーマンスをみせてくれていましたし、期待が大きかっただけに残念です。僕たちにはどうにもできませんし、次戦雨が降ってしまったらと思うと不安が大きいです。

武田敏明
Toshiaki Takeda  Team Director
レースはウエットになりましたが、雨のなかドライバーは頑張ってくれましたが、タイヤトラブルが3回も起きてしまう結果になってしまいました。今後に向けて何が原因だったのかを、しっかり究明しなければいけないと思っています。ドライになってからは今後へのデータ取りに専念しましたが、多くのことを得られたのは良かったです。今回の参戦までの間に星野オーナーをはじめ、スーパー耐久チームも多くの協力をしてくれましたし、皆さんの思いに報いるために結果を出したいと思っていましたが、アクシデントで実現できなかったのは残念です。次戦に向け頑張ります。

藤井誠暢
Tomonobu Fujii  Driver
今回、厳しいレースを予想してはいましたが、公式予選では想像以上にパフォーマンスが高かったです。予選Q2でも思った以上にタイムがでましたし、決勝レースはウエットになったので、チャンスがあるかと期待もしていました。ただ、序盤にタイヤのトラブルがあり、勝負権を失ってしまいました。原因はまだ分かりませんが……。その後のレースではドライコンディションでタイヤを試し、いい部分も見えてきましたし、課題も見つかりました。レース距離を走ることができたのも大きいです。今回見つけられたことを次戦に活かしていきたいと思っています。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
João Paulo de Oliveira  Driver
今日のレースではさまざまな課題が見つかったと思うんだ。特に今回はウエットタイヤのトラブルも含めたタイヤの部分が大きいね。公式予選では悪くなかったし、いいペースを見つけることができた。ただレースではライバルに対して遅れをとっていた部分が大きかった。もっとバランスも追求しなければいけないし、ペース向上が大きな課題だと思う。より理解を深めるためにハードワークをこなさなければいけないし、レースでは底打ちもあったから、タイヤのトラブルに繋がっているかもしれない。今回のレースは残念だったけれど、次戦も頑張っていきたい。

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藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
D'station FRESH ANGELS
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