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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.04.25 14:40
更新日: 2019.04.27 13:07

D’station Racing AMR 2019スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

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スーパーGT | D’station Racing AMR 2019スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

D’station Racing AMR

Race Report – 2019.04.20

雨のレースに活路を見出すも
まさかの不運なデビュー戦に

AUTOBACS SUPER GT 2019 SERIES
Round.1 OKAYAMA

April 12 – 13 2019
Qualify : 19th Race : Retire

 いよいよ2019年のSUPER GTが岡山国際サーキットで開幕を迎えた。今季、D’station Racing AMRはチーム名も改め、アストンマーティン・AMRヴァンテージGT3を日本で初投入。藤井誠暢のパートナーとしてジョアオ・パオロ・デ・オリベイラを招き、新たなスタートを切る。

 チームはこれまで、富士スピードウェイでシェイクダウンを行った後2回の公式テストに参加し、ヴァンテージGT3の熟成を進めた。昨年までと異なり、ヴァンテージGT3の武器は良好なバランス。岡山などの中低速コースは得意のようだ。実際、岡山公式テストでは好タイムをマークしていたが、富士テストを前にGT300クラスの参加条件が発表されると、ヴァンテージGT3など新型車に厳しい性能調整が提示されていた。

 とは言え、嘆いていても始まらない。D’station Racing AMRは開幕に向け準備を整え、美しくカラーリングされたD’station Vantage GT3をアストンマーティン青山ハウスでお披露目した後、岡山国際サーキットに乗り込んだ。

 4月13日、岡山国際サーキットの天候は晴天に恵まれ、午前8時50分から公式練習がスタートした。D’station Vantage GT3は藤井がステアリングを握りコースインしたが、やはり性能調整の影響が大きい。ストレートではライバルたちと如実な速さの差が感じられた。さらに、オリベイラに交代した終盤には、リボルバーコーナーで無理矢理インを突いてきたGT500クラスのマシンにヒットされ、マシンにダメージを負ってしまう。

 このダメージはチームメンバーによって早急に修復され、午後2時45分からのQ1には、D’station Vantage GT3は無事に出走を果たした。予選Q1を担当したのはオリベイラだ。

 公式練習で得られたデータをもとにフィーリングが向上していたD’station Vantage GT3を武器にオリベイラは入念にタイヤを温めアタックに挑むが、ここでなんと富士テストでも発生していたミッションのトラブルが発生してしまう。2速がスキップされる症状が突然起きるものだが、肝心のアタック周にこれが起きてしまったのだ。2組に分けられたQ1で、D’station Vantage GT3は惜しくもQ2進出ならず。D’station Vantage GT3は19番手からレースを戦うことになった。

 明けた4月14日の岡山は、早朝こそ曇天模様だったものの、チームがピットウォークを行っていた午前11時頃から、サーキットに雨が舞いはじめた。みるみるうちに雨は路面を濡らしウエットコンディションとなると、スターティンググリッドこそ小雨になっていたものの、D’station Vantage GT3がグリッドを離れる頃になるとふたたび雨が強くなってきた。

 D’station Vantage GT3のスタートドライバーを務めたのはオリベイラ。実はレース前のウォームアップ走行時、D’station Vantage GT3は藤井、オリベイラともにウエット路面にたしかな手ごたえを得ていた。バランスに優れるヴァンテージGT3ならではのものだったが、これを活かしたオリベイラは、セーフティカースタートの後から、ジワジワとポジションを上げていく。

 雨脚が強くなり、ヘビーウエットとなったこともあり、オリベイラは大きなマージンをとりながら走っていたが、19番手グリッドから13番手まで浮上。ポイント圏内も見えはじめていた。しかし13周目、2コーナーを立ち上がったオリベイラの眼前に、突如水煙の中から、クラッシュ車両が出現した。

 減速も左右に避けることもできない状況のなか、D’station Vantage GT3は正面からクラッシュ車両と激突。ヴァンテージGT3は左側に飛ばされタイヤバリアにクラッシュ。オリベイラに怪我はなかったほか、この多重クラッシュに巻き込まれた中に怪我人がいなかったのは不幸中の幸いだったが、D’station Vantage GT3の開幕戦は突如終わりを告げてしまった。

 ヴァンテージGT3のダメージは大きく、チームは第2戦までに時間がないなかで車両の修復を行わなければならない。思わぬ2019年開幕となったが、チームは前を向き第2戦富士に挑む。

D'station Vantage GT3
D’station Vantage GT3

藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

星野 敏
Satoshi Hoshino  Team Principal
スーパー耐久ではアストンマーティン・ヴァンテージGT3の初勝利を飾ることができましたが、レースは本当に良いこともあれば、悪いこともありますね。この試練を乗り越えて、次のレースに向けて戦いにいくしかありません。性能調整が厳しい状況でしたが、決勝日のウエットコンディションのときにはトップタイムをマークすることができましたし、レースでは良いところにいけるのではないかと期待しておりました。オリベイラ選手が追い上げを始めてくれて、そのとおりになると思っていましたが……。次のレースも応援よろしくお願い申し上げます。

佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki  General Manager
まずはオリベイラ選手に大きな怪我がなかったことに本当に安心しました。ホッとしています。スーパー耐久ではデビューウインを飾ることができましたし、決勝日のウォームアップ走行でもいいタイムをマークしていただけに期待していましたが、まさかこんなアクシデントに巻き込まれてしまうなんて、想像もしていませんでした。残念な結果に終わってしまいましたが、まずはヴァンテージGT3をしっかりと間に合わせるように準備しないといけません。チームスタッフが一丸となって準備にあたっていきたいと思います。

武田敏明
Toshiaki Takeda  Team Director
スーパーGTでのヴァンテージの初レースでしたが性能調整もあり予選から厳しい状況になりました。そんななか、オリベイラ選手が予選で頑張ってくれましたと思います。決勝レースに向けては、こういうコンディションになるという予報もあったので、さまざまな挽回のチャンスがあるとチーム一丸となって臨みましたが、ウエットのパフォーマンスも高かったです。オリベイラ選手の経験で追い上げをみせてくれていましたが、本当にアンラッキーでしたね。クルマのいいところも分かりましたし、第2戦に向けいい準備をして臨みたいと思います。

藤井誠暢
Tomonobu Fujii  Driver
今回は決勝レースを戦うこともできず、予選もドライブすることができませんでしたが、レース前のウォームアップ走行のときは、ウエットコンディションのなかでトップタイムをマークすることができましたし、ウエットの調子が良かっただけに大きなチャンスがあると思っていました。そんななか。映像のモニターでオリベイラ選手がクラッシュし、止まっていることを確認したときは、D’station Racingにとっても初めてのことでしたし、ショックでしたね。とはいえ、まだ開幕戦ですし、これからチャンスがあると思っています。次戦以降の巻き返しを目指します。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
João Paulo de Oliveira  Driver
本当にガッカリしているよ。こんなウエットコンディションの中だったし、僕は決勝レースで、すごく大きなマージンを保って、とにかく安全を意識してレースをし、少しずつ追い上げていければと思っていたんだ。しかし本当に不運なことに、僕の前で走っていたマシン同士が接触し、クラッシュしたマシンが僕の目の前に来た。タイミングも不運だったし、クラッシュした車両がどちらにいくかなんて判断できないくらいだった。本当にアンラッキーだった。でも次のレースを頑張りたいし、シーズンを通じてなんとかリカバリーしたいと思っているよ。

Official Website : http://dstation-racing.jp
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藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

D'STATION FRESH ANGELS
D’STATION FRESH ANGELS

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