レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.09.09 09:24

《GT300決勝あと読み》ドライか、ウエットか。ピットインタイミングと判断が勝敗を分けた大荒れオートポリスのGT300

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | 《GT300決勝あと読み》ドライか、ウエットか。ピットインタイミングと判断が勝敗を分けた大荒れオートポリスのGT300

 終わってみればまさかの大逆転。降り注いだ雨が演出したまさかの展開となったスーパーGT第6戦オートポリスだが、GT300クラスでも戦略が分かれる非常に難しい展開となった。上位陣がどんな戦略を採ったのか、そしてそんななか、見事自身の100戦目を2014年以来の優勝で飾った吉本大樹とLM corsaの戦略をご紹介しておこう。

 前日のこのコーナーでもお届けしていたとおり、スーパーGT第6戦オートポリスの決勝日は前日から雨の予報が出ていた。9月7日の時点では、予報にもよるが雨が降るのは15時前後。8日になり雨が降り出すのはやや遅くなっていた。

 迎えた決勝序盤は、SUBARU BRZ R&D SPORTのトラブルなどもあり、JAF-GT勢をGT3勢が上回っていく展開となった。スタート直後から激しいバトルを展開したHOPPY 86 MCと埼玉トヨペットGB マークX MCという2台のマザーシャシー勢をかわしたグッドスマイル 初音ミク AMGとD’station Vantage GT3がトップ2を占め、7番手から3番手に浮上したARTA NSX GT3が続いていた。

 GT500クラスが20周を過ぎる頃には、1コーナーを中心に雨が降り出すが、コース全域を濡らすわけではなかったので、ここでピットインを行うチームはいなかった。多くのチームが狙っていたのは、雨がしっかり降るまで待って、ルーティンのタイミングでウエットにすることだったが、本格的に降り出したのは、GT500が30周を終えたころだ。

 65周のレースで半分近くに到達しており、スタート時に履いていたタイヤのグリップダウンに悩まされたチームは、この前にピットに入りスリック→スリックで交換。序盤の上位陣では、HOPPY 86 MCが27周、D’station Vantage GT3が30周でピットインしており、結果的にこれらはあまりいいタイミングとはならなかった。

 多くのチームは予定どおり雨が強くなり始めたタイミングでピットに向かうことになるのだが、30周を終えたT-DASHランボルギーニGT3がストップしている映像が映し出されたときがひとつポイントだった。一時、ドアが開くシーンが映ったが、これでセーフティカー導入を予想したチームも多かった。結果的に、上位陣のうち32周でピットインするチームが多かったのだが、ここでウエットを選択した。

 その直後、今度はアールキューズ AMG GT3のクラッシュにより実際にセーフティカーが導入された。32周の後にピットインを予定していたチームはピットインできず、このSC明けのピットインを強いられることになるが、結果的には2回目のSC前=32周に入った組が最も効率が良かったことになる。序盤首位だったグッドスマイル 初音ミク AMGは、本来32周目に入りたかったのだが、そのタイミングでピットを通過してしまっていた。

 なお、上位を争った陣営のピットインタイミングは下記のとおりだ。このなかでModulo KENWOOD NSX GT3は、ライバル同様32周でピットインしウエットに換えたが、ダイブ(ななめ止め)でピットインしたため、アウト時にインパクトレンチがウイングに引っかかってしまい、後にペナルティを喫したのが痛かった。また、ARTA NSX GT3もピットアウト時にWedsSport ADVAN LC500に接触。これでペナルティをとられている。

●GT300 上位陣のスーパーGT第6戦オートポリスのピットインタイミング

HOPPY 86 MC:27周
D’station Vantage GT3:30周
McLaren 720S GT3:32周
マネパ ランボルギーニ GT3:32周
K-tunes RC F GT3:32周
ARTA NSX GT3:32周
GAINER TANAX triple a GT-R:32周
Modulo KENWOOD NSX GT3:32周
UPGARAGE NSX GT3:38周
LEON PYRAMID AMG:39周
リアライズ 日産自動車大学校 GT-R:39周
SYNTIUM LMcorsa RC F GT3:40周
グッドスマイル 初音ミク AMG:40周

■「仮に10周しんどくても……」吉本の判断が勝利に繋がる


関連のニュース