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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.09.12 20:21
更新日: 2020.09.12 20:29

ドライならPPも狙えたウェッズ「スープラの“引き出し”はたくさんある」/第4戦GT500土曜分析

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スーパーGT | ドライならPPも狙えたウェッズ「スープラの“引き出し”はたくさんある」/第4戦GT500土曜分析

 国本雄資は、ピットロードに入ってきてからもまだ迷っていた。幸い今回、トヨタ勢のピットボックスは出口寄り。考える時間はある。ウエットタイヤに交換するべきか、このままスリックタイヤで粘るべきか――。

 WedsSport ADVAN GR Supraは、ドライコンディションの公式練習はトップタイム、予選Q1でも相方のGT500ルーキー・宮田莉朋がトップ通過を果たし、“Q2への切符”というこれ以上ない誕生日プレゼントを国本に手渡してくれた。

 Q1も時折霧雨が混じる難しいコンディションとなったが、好タイムを出した宮田は「ドライだった」と言う。「じゃあ、ちょっとくらい降っていたとしても、僕もドライの感じで行こう!」。国本はそう心に決め、予選Q2のセッションにスリックタイヤを履いて飛び出していった。

「ちょっと雨が多いな」

 アウトラップの4コーナーを立ち上がったところで国本の自信は不安に転じた。ヘアピンを回っても全然温まる気配を見せないタイヤに、国本は決断を迫られていた。「ウエットに交換しようか」とピットに問いかける。

 だが、これまでの経験上、こういったコンディションにおけるウエットでの劣勢は明らかだった。タイヤを換えてしまったらポールポジションの権利はないだろう。せっかく巡ってきたチャンス、なんとかスリックで勝負できないものか……。

 ピット入口までに結論は出せず、ピットロードに入ってからも国本は「このままピットをスルーしてコースに戻った方がいいんじゃないか」とも考えていた。だが、依然雨はやや強く降り続いている。国本とチームは、断腸の思いでウエットタイヤへの交換を決断した。

 皮肉なことにウエットタイヤへの交換直後から、雨は弱まっていった。「あの路面では(ウエットタイヤでの)速さがないので、スリックで行ってもよかったかな」。Q2最後尾の8番手でセッションを終え冷静になった国本には、そんな思いもよぎっていた。

*  *  *  *  *  *

 新型コロナウイルスの影響でシーズンが短縮され、3サーキットのみで構成されるカレンダーが発表されたときから、ウェッズ陣営は第4戦もてぎ、そして続く第5戦富士を、“狙えるラウンド”に定めていた。

「もてぎは鈴鹿とかに比べて、負荷が少ないコース。そういうところでは、ヨコハマはパフォーマンスがある」と国本。事実、昨年の最終戦ではノーウエイトのなか、7位に食い込んでいる。今年は開催がなくなってしまったタイのチャン・インターナショナル・サーキットと並び、ウェッズが得意とするコースだ。

 さらに今季は車両がGRスープラに改められた。開幕戦では上位独占に加担できなかったウェッズ陣営だが、“スープラ効果”は確実に現れているという。

「富士の2戦で、去年よりもロングランのペースが良かった。BS(ブリヂストン)とも遜色ないペースで走れて、去年と比べたら全然よくなっている。もちろんヨコハマのタイヤも進化していますが、GRスープラの進化がすごく大きいと感じています」(国本)。

 坂東正敬監督はそのGRスープラの良さを、「引き出しが多い」と表現する。

■「コンマ2、3秒縮められる余力はあった」と宮田莉朋


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