当初のカレンダーより3ヵ月遅れでスタートした2020年シーズンのスーパーGTも5ヵ月間で8戦という過酷な戦いを無事に走り終えた。ランキングトップでこの第8戦に挑んだリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは、予選でライバル勢の後塵を拝し、7番手から追い上げのレースを余儀なくされた。
レースでは直接のライバルたちがタイヤ無交換作戦を採り、ポジションを上げて逆転を狙うなか、リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは4輪交換を選択。フレッシュなタイヤでGT-Rのポテンシャルを遺憾なく発揮して2位までポジションを巻き返し、見事タイトルを手中に収めた。
リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは2019年からGT300クラスに参戦。今年はドライバーラインアップを一新し、新たな気持ちで挑んだ参戦2年目で初の戴冠となった。ステアリングを握るふたりのドライバー、藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラもキャリア初のチャンピオンとなり、その喜びを決勝レース終了後の会見で語ってくれた。
藤波清斗
第1スティント担当/ベストタイム:1分37秒447
「シリーズチャンピオンなんて夢みたいです。僕自身、ずっと長いことスーパー耐久で戦ってきて、昨年からスーパーGTに参戦させてもらっていますが、フル参戦2年目にこんな大きな大会でチャンピオンが獲れるなんて、数年前を考えたら思いもしないです。たくさんの方に支えてもらっていまの自分がいるので、今回の結果で少しは恩返しができたかなという部分でほっとしています」
「今シーズンは開幕戦から前半にかけてはイマイチなところがありましたが、中盤戦以降、チームが徐々にクルマのほうを煮詰めてくれて、本当に頑張ってくれました。ヨコハマタイヤさんも力を入れてくれて感謝しています。前回のもてぎは展開に恵まれて勝つことができ、最終戦をランキングトップで望めるということで、正直プレッシャーも大きかったです。ただ、最後まで諦めないというしっかりした強い気持ちを持って挑もうと思っていました」
「今回の予選もあまり結果としてよくなかったですが、絶対的な決勝のペースという部分では自信があったので、ポジションは挙げられるという思いはありました。まさか2位まで来られるとは思っていなかったですが。結果的によかったと思います。(ジョアオ・パオロ・デ)オリベイラ選手もすごい追い上げてくれました。今年一年コンビを組ませてもらって、非常に強い選手ですし、勉強になることもいっぱいありました。本当に感謝しています」