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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.08.21 19:24
更新日: 2021.08.21 21:26

Modulo伊沢拓也、アタック前に「パニック」でPP獲得も呆然。ダンロップ勢がフロントロウ独占【第3戦GT500予選】

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スーパーGT | Modulo伊沢拓也、アタック前に「パニック」でPP獲得も呆然。ダンロップ勢がフロントロウ独占【第3戦GT500予選】

 変則スケジュールでの開催となった2021年スーパーGT第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』、鈴鹿サーキットでのGT500クラス公式予選は、曇天ながらドライ路面での勝負が繰り広げられ、64号車Modulo NSX-GTの伊沢拓也が昨年の第3戦に続く自身2度目のポールポジションを獲得した。

 フロントロウ2番手にも16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが並び、ダンロップタイヤが予選最前列を占める結果に。2020年シーズンに“鈴鹿連覇”を達成している23号車MOTUL AUTECH GT-Rを破り、ドライかウエットか読めない明日22日の決勝に向けてまずはホンダ勢が好位置を確保した。

 7月にツインリンクもてぎで争われた第4戦に続き、第3戦鈴鹿が当初スケジュールされていた5月から8月中旬に順延されての開催に漕ぎ着けた。しかしこの間にも全国的に新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は収まる気配を見せず、爆発的な蔓延により三重県下は9月12日まで『まん延防止等重点措置』が適用される事態に。5月初旬まで販売されたチケットにより今回も有観客となったサーキットだが、引き続き厳重な感染対策のもとでのイベント実施となった。

 8月以降全国的に続く長雨と、それに伴う深刻な水害を思わせるかのように、この8月21~22日の週末も雨絡み模様の予報が出されるなか、午前の公式練習はウエット宣言ながらなんとか“ほぼドライ”のダンプコンディションのまま進行。

 午前10時40分からのGT500クラス専有走行では、MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生がトップに立ち、以下64号車Modulo NSX-GT、24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが上位に並ぶなど、天候による路面状況も踏まえてミシュラン、ダンロップ、ヨコハマの各タイヤメーカーによる“打倒ブリヂストン”の意気込みを感じさせる結果となった。

■Q1:GRスープラ勢が揃ってQ2進出ならず

 午後に入り降水確率は60%となっていたものの、14時30分ちょうどのGT300クラス予選Q1A組開始時点でサーキット上空に雨はなし。気温は27℃、路面温度は31℃ながら湿度は76%と、いつ雨が来てもおかしくないコンディション。しかし15時3分のGT500のQ1開始時にはレコードライン上もドライ。ウエットパッチもほぼ消える状況で、スリックタイヤによるアタック合戦の舞台が整った。

 セッション開始でピットレーン出口にグリーンが灯ると、各車とも雨を嫌ってか早めのコースインとなり、3分経過時点までステイした23号車MOTUL AUTECH GT-Rの松田と12号車カルソニック IMPUL GT-Rの平峰一貴を最後尾に、全15台がウォームアップへと入っていく。

 すると明らかに他車とはグリップ発動の異なりそうな64号車Modulo NSX-GTの大津弘樹が、ライバルたちがまだ1分50秒台で熱入れを進める計測3周目で早くも1分44秒733を叩き出し、コースレコードに0.4秒まで迫るスーパーラップを記録する。

 同じく64号車同様にピット居残り組だった2台のGT-Rも、23号車松田が自身3周目で1分45秒台、12号車平峰も同じく1分46秒台として、それぞれ2番手、3番手に上がってくる。

 そして10分間のセッションもチェッカーが目前に迫るなか、計測4周目のコントロールラインを通過したもう1台のダンロップタイヤ装着のNSX-GT、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの笹原右京が1分45秒590として2番手に飛び込んでくる。

 一方、ニッサン陣営でもヨコハマタイヤを履くリアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも午前の速さを持ち越し、佐々木大樹が1分45秒727として先行していた2台のGT-Rを逆転して3番手とする好タイムを記録してみせた。

 最終的に4番手となった23号車と、Q1通過のカットラインとなる8番手まで下がった12号車の間には、8号車ARTA NSX-GT、3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、そして17号車Astemo NSX-GTが飛び込む結果に。チェッカー後も懸命のラストアタックを続けていたサクセスウエイト(SW)搭載組トヨタ陣営のGRスープラは、19号車WedsSport ADVAN GR Supraの9位を最上位に全車Q2進出ならず、というまさかの結果に終わった。

■Q2:アウトラップでコースオフも伊沢がPPを手にする

 GT300クラスのQ2を挟んで迎えたGT500 Q2。開始時間の15時41分となっても降雨はなく、セッション開始からしばらくして8号車ARTA NSX-GTの野尻智紀を先頭に各車続々とコースへと向かっていく。ここでもQ1と同様にホンダ陣営では64号車Modulo、ニッサン陣営では12号車カルソニックと23号車MOTULが待機組となり、残り7分を前に“昨季覇者”ロニー・クインタレッリを最後に全車トラックインとなる。

 するとアウトラップを走行中の64号車伊沢拓也がダンロップコーナーでワイドになりグラベルへ。幸いマシンダメージなくコース復帰を果たしたものの、ウォームアップを前に砂を拾うかたちに。しかしこれでスイッチが入ったか、タイヤ熱入れの2周目で早くも1分50秒178とした伊沢は、続く計測3周目で一閃。1分45秒128で堂々のトップタイムをマークする。

 同じタイミングでアタックへと入っていた23号車MOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリは、最終コーナーの大外を回るラインで逆転を狙うも1分45秒710で伊沢のタイムには届かず。

 さらに先行してコースインしていた16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯都史樹が計測4周目で1分45秒349として2番手に浮上し、これでダンロップ装着のホンダ勢がフロントロウ占拠のワンツー体制を築き上げた。そのワンツー体制の立役者となった伊沢だが、予選後の会見で「コースオフ後の僕はちょっと完全にパニックであまり自分のアタックを覚えていない」と話している。

 チェッカーが振られた後もこの上位3台を上回るマシンは現れず、1分46秒030としたARTA野尻を逆転し、24号車リアライズGT-R高星明誠が1分45秒861で4番手へ。以下、6番手に52kgのSW搭載で燃料リストリクター1ランクダウンの17号車Astemo NSX-GTが続き、4列目に3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、12号車カルソニック IMPUL GT-Rと2台のGT-Rが並ぶ予選結果となった。

車両保管場所からピットへと戻る道中の伊沢拓也(Modulo NSX-GT)
車両保管場所からピットへと戻る道中の伊沢拓也(Modulo NSX-GT)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)


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