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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.09.13 10:14
更新日: 2021.09.15 22:03

後半に急展開のGT300。0.093秒差で決着した道上vs小暮、81kgで表彰台をもぎ取ったGT-Rへの驚嘆etc.【第5戦SUGO決勝】

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スーパーGT | 後半に急展開のGT300。0.093秒差で決着した道上vs小暮、81kgで表彰台をもぎ取ったGT-Rへの驚嘆etc.【第5戦SUGO決勝】

 9月12日、宮城県のスポーツランドSUGOで83周に渡る熱闘が繰り広げられたスーパーGT第5戦『SUGO GT 300km RACE』。レース序盤こそ緊迫しながらも、それほど大きな波乱があったわけではない展開だったが、GT500クラス首位だったARTA NSX-GTにドライブスルーペナルティが出た後は、WedsSport ADVAN GR Supraの火災など、次々と波乱が起きた。

 GT300クラスでも、セーフティカー後からさまざまなアクシデントやそれに伴う順位変動があった。レース終盤に見られた、気になるシーンの裏側をお届けしよう。

■表彰台目前も、“鬼門”の2コーナーでまさかの事態。河野駿佑は誕生日を飾れず

 予選3番手からスタートしたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは、序盤吉本大樹はタイヤが苦しかったというが、4番手に順位を落としながらも、懸命のディフェンスで4番手をキープ。27周で早めのピットインを行い、河野駿佑に長いスティントを託すことになった。

 河野が履いたタイヤは好調で、セーフティカー後は3番手に浮上。第2戦富士を制しチャンピオンも視野に入れていただけに、ここで大きなポイントを持ち帰りたいところだった。しかし63周目の2コーナーで、前方でバトルを展開していた30号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTとarto RC F GT3のアクシデントを避けようと、アウト側のグラベルに出ざるを得なくなってしまう。これでポジションを落とし、最後は5位でフィニッシュすることになった。

「ラップダウンだった30号車と35号車のバトルに巻き込まれました。2台がヒットして30号車がスピンしたところで、ダートに避けざるを得ませんでした。映像を観ていないので分かりませんが、イン側に避けられたかどうかは分かりません。うしろにいた2号車(muta Racing Lotus MC)も僕と一緒に避けてきたので、ラインがあったかどうか……」と河野は悔しがった。

「順位争いしているバトルに巻き込まれるならまだしも、ラップダウンのバトルに巻き込まれたので……。悔しいというか、言葉が出ないです。まだ(グラベルに)埋まらなくて良かったですけどね。全日本F3でもよく専有走行でグラベルに埋まっていましたし、先日のスーパーフォーミュラ・ライツでも横転しましたし、あの場所は相性が良くないのかもしれません」

 河野の言葉にもあるとおり、全日本F3ではしばしば2コーナーでコースアウトを喫していた。また、6月20日に行われたスーパーフォーミュラ・ライツ第11戦でも、スタート直後に野中誠太と接触。横転するアクシデントに見舞われている。

「うしろから来ていた56号車(リアライズ 日産自動車大学校 GT-R)のペースは聞いていなかったので、3位になれたかと思うと本当に悔しかったのですが、56号車のペースを聞いたら、おそらく3位にはなれなかったです。でも4位にはなれたと思うので……。2ポイント失ったのは悔しいです。でももう……。どうしていいのか分からないです」

「ただロングスティントでタイヤをもたせられたのは今後に向けても自信にはなったと思いますが」

 この日、河野は誕生日だった。自らのバースデーを表彰台で飾りたいところだったが、それは実現できないままサーキットを後にすることになった(RH)。

2021スーパーGT第5戦SUGO SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2021スーパーGT第5戦SUGO SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

■81kgのサクセスウエイトも3位に。リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rに戻ってきた強さ

 後述するグッドスマイル 初音ミク AMGのバースト、そしてSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTのポジションダウンにより、3番手に浮上したのが藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラのリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rだ。オリベイラが力強い走りを見せそのまま3位でフィニッシュすると、11ポイントを獲得。最終的に第5戦を終えて首位となった井口卓人/山内英輝組に1ポイント差となるランキング2位につけた。

 81kgというサクセスウエイトを積みながら、オーソドックスな戦略で予選10番手からポジションを上げての表彰台獲得だけに、ライバルからは「あの速さはなんなのか」という声が多く聞かれた。2連覇を射程に捉える3位表彰台だけに、ライバルたちにとってはある意味“事件”でもあった。

「ここ2戦、僕たちはミスがあったりで完璧なレースができていなかったので、今回は自分たちの力をいかに出せるかが課題でした。それができて、昨年のような強さをみせられたと思っています。3位を持ち帰ることができたのは大きいです」とレース後語ったのは藤波。

「ランキング2位ですが1ポイント差なので、一騎討ちで戦って2連覇して、来年へのステップとして頑張っていきたいです。オリベイラ選手も速いので、自分もしっかりアピールしていきたいです。でも、チームがしっかり前にいけるということは良いことですし、継続してやっていきたいですね」

 ニッサンGT-RニスモGT3、ヨコハマ、そしてドライバーふたり、チームというパッケージがリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの強さの秘訣なのは間違いない。次戦オートポリスでは100kgのサクセスウエイトが積まれることになるが、ここでもポイントを獲ってくるようだと、本当に2連覇が見えてくるのかもしれない(RH)。

2021スーパーGT第5戦SUGO リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
2021スーパーGT第5戦SUGO リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

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