きっかけは、金曜日のチームミーティングでの山内英輝のひとことだった。

「最近、卓ちゃん(井口卓人)が決勝の後半でキツい状況を走ってくれることが多いので、卓ちゃんがスタートで僕が後半行ってもいいんじゃないですか」

 前戦鈴鹿、SUBARU BRZ R&D SPORTはポールポジションを獲得したものの、レース序盤にしてタイヤのドロップが始まり、スタート担当の山内は早々にピットイン。2輪交換で後半のロングスティントに出て行った井口は、ハンドリングが悪化するマシンと格闘し、腕がパンパンになってしまったという。

 井口が置かれた状況に、山内は申し訳なさを感じていた。自分も、長いスティントで力走することが必要なのではないか。そう考えた末の提案だった。

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