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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.08.31 16:10

ブリヂストン 2022スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | ブリヂストン 2022スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート

2022年オートバックスSUPER GT第5戦 鈴鹿サーキット[GT500]
劇的勝利!グリッド最後尾から終盤トップにまで上り詰めた平峰一貴/ベルトラン・バゲット(カルソニックIMPUL Z/BS)が優勝

開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2022年08月27日(土) 〜 2022年08月28日(日)

 前戦の富士に続いて450キロレースの第5戦、鈴鹿。シリーズも後半戦に突入した。前半戦でポイントを積み重ねているチームは、BOP(バランス・オブ・パワー)のサクセスウエイト+燃料リストリクターを装着されて、苦しい戦いを強いられている。

 戦略性の高いこの距離のレースで、正攻法の戦いを演じ、予選で振るわずに最後尾の15番手から追い上げた平峰一貴/ベルトラン・バゲット(カルソニック IMPUL Z/BS)が残り2周半でトップを奪取して劇的な優勝、ポイントランキングでトップに立った。

予選

 数日前には鈴鹿周辺で局地的な豪雨が発生したというニュースが報じられていたが、週末は雨の心配はなく、暑い、夏の天候の中で予選が行われた。ブリヂストンタイヤ装着車の多くは、BOPによって車両が重く、そして前戦で優勝したサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋(KeePer TOM’S GR Supra/BS)などは、ウエイトと共に燃料リストリクターを絞られてエンジンパワーも抑えられたため苦しい予選となっていた。その中で気を吐いたのは塚越広大/松下信治(Astemo NSX GT/BS)だった。Q1を5番手で通過し、Q2においてセッションの終わりでトップに立ちポールポジション獲得かと思われたが、最後の最後に逆転を許してしまい、2番手。しかし、フロントローを獲得した。ポールポジションは、松田次生/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTHECH Z/MI)が3年ぶりに獲得した。

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)

決勝

 曇り空からやがて夏の太陽が照りつけるコンディションの中で決勝レース450キロ、77周がスタートした。ポールスタートの松田/クインタレッリ組のペースが上がらず、塚越/松下組がトップ奪取を伺いながらレースの序盤は進行していた。松田/クインタレッリ組は、タイヤの摩耗に苦しみ早めのピットイン。これで塚越/松下組がトップに。しかし、最初のピットストップで時間を要してしまった塚越/松下組は、トップの座を明け渡してしまう。レースも後半に進んだ49周目には、GT300クラスのマシンが高速コーナー130Rでコースオフしてクラッシュし、セーフティカー(SC)が導入された。

 これにより、SCの導入と共にピットインを行った上位陣の順位入れ替えが激しさを増し、再び塚越/松下組がトップへ。その背後ではポールスタートの松田/クインタレッリ組が順位を挽回して2位まで復活してきていた。そして後ろにはなんと最後尾スタートの平峰/バケット組が居た。1回目のピットインを遅めにし、その後は着実に順位を上げてレースの終盤に入った時には3位まで這い上がってきていた。残り10周で激しい2位バトルでコースオフ、あわやクラッシュというシーンもあった。松田/クインタレッリ組に対して、バトル中の危険行為があったとしてペナルティが科せられ平峰/バゲット組は2位へ。しかし、そこから猛追が開始された。74周目にトップの塚越/松下組のテールを完全に捕らえ、75周目のヘアピンコーナーでトップへ。最後尾スタートからトップに立った。まさに劇的なレース展開での勝利だった。そしてブリヂストン装着車によって表彰台は占められた。

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)

優勝ドライバーのコメント
平峰一貴選手

「予選では、Q1を通過できていると思っていたら、まさかの敗退。本当にチームにもバゲットさんにも申し訳なかったです。そして気持ちを切り替えて決勝に臨みました。第1スティントでバゲットさんも苦しみながら、気迫で順位を上げてくれたシーンを見て自分も絶対に順位を上げると思っていました。SCのタイミングでうまくピットインできたのは、チームの作戦と準備をしていてくれたからです。最後は前にいる車を全部抜いてやろうと思って走っていました。実は、トップに立つ数周前まで自分が2位を走っていることを知らなかったんです。17号車を抜いたらトップなんだと分かってから、全力を出し切って走りました。僕を応援してくれている皆さん、サポートしてくれる日産さんブリヂストンさん、そしてTEAM IMPULのおかげで勝てました。ありがとうございました」

ベルトラン・バゲット選手

「日産、TEAM IMPULに移籍して勝てて本当に嬉しいです。ここまでトラブルに悩まされることが多くて、それでも前回の富士で2位になって、チーム全体が調子を上げてきていました。しかし、最後尾からの決勝は、簡単ではなかったです。自分のミッションは、ドライバー交替までコースに留まり順位を上げること。リスクも犯さなければならないシーンもあったけれど、無事に一貴に手渡すことができました。そして彼の素晴らしいドライビングでトップへ。ランキングトップになれました。これからも難しいレースが続くでしょう。しかし、一貴と星野さんのためチームにチャンピオンを捧げるために頑張ります」

ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント

「予選ではライバルに後塵を拝してしまいましたが、決勝の展開ではわれわれの用意したタイヤの良さ、メリットが十分に発揮されて、TEAM IMPULの優勝、そして表彰台の独占という結果を残せました。450キロというレース距離に対して、ショートスティント、ロングスティント両方に対応できるタイヤを供給し、実際、何チームかは、たとえば3位に入った39号車さんは、2スティント連続で1セットのタイヤで走り切っています。速さももちろんのこと、作戦の選択肢を多く取れるのがブリヂストンの強みです」

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 平峰一貴/ベルトラン・バゲット(カルソニック IMPUL Z)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 平峰一貴/ベルトラン・バゲット(カルソニック IMPUL Z)

2022年オートバックスSUPER GT第5戦 鈴鹿サーキット[GT300]
表彰台目前で武藤英紀/木村偉織(ARTA NSX GT3/BS)がトラブルでリタイヤ

 ここまでトラブルに悩まされることが多かった武藤英紀/木村偉織(ARTA NSX GT3/BS)が、予選で上位グリッドを確保、そして、決勝では序盤から積極的な姿勢で順位をアップ。一時は2位を走行。しかし、再びトラブル発生で失速し、終盤にストップしてリタイヤ。吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)が作戦を駆使して20番手から4位フィニッシュを果たす。

予選

蒸し暑い夏のコンディションの中で予選が開始された。シリーズも後半戦に突入して、ランキング上位のマシンにはサクセスウエイトが積まれる状況となっている。GT300クラスのブリヂストン装着車の中でも開幕戦で3位を獲得している蒲生尚弥/篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG/BS)は36キロのサクセスウエイトを搭載。その重さが予選でも影響している。一方、ここまで何度もトラブルで結果を残せないできている武藤/木村組はサクセスウエイト3キロ。Q1Aグループで木村が2番手通過。Q2で武藤が8番手。決勝を4列目のグリッドからスタートすることとなった。ポールポジションは、前回の鈴鹿第3戦で一旦ポールを獲得していたものの再車検で違反と判定されてしまった冨田竜一郎/大草りき/塩津佑介(TANAX GAINER GT-R/DL)が今回は雪辱を晴らした。

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)

決勝

450キロレースでは、2回の給油義務、ドライバーの最低周回数、最大周回数の範囲内であれば作戦の自由度は大きい。予選で20番手となり後方からの決勝スタートとなった吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)は、今回も2周してピットイン・短時間の給油=スプラッシュ作戦で上位進出を目指した。そして、8番手スタートの武藤/木村組は、着実に順位アップをして、レースの中盤には、表彰台を獲得できるポジションまで来ていた。しかし、3位を走行していた終盤64周目にメカニカルトラブルが発生してペースダウン。コースサイドにマシンを止めてリタイヤしてしまった。吉田/川合組は、カウルのトラブルにより、難しいドライビングを強いられながらも順位アップし、4位でゴール。蒲生/篠原組は、19番手スタートから6位。加藤寛規/堤優威(muta Racing GR86 GT/BS)が8位に入って久しぶりのポイントゲットとなった。

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)

ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント

「450キロレースですと、300キロレースのようにタイヤの無交換作戦というものは行えないのですが、それでも、GT500クラスと同様に毎回タイヤ交換せずに、2スティントを走行でき、パフォーマンスを維持するという点ではブリヂストンの優位性を発揮できています。今回、予選から好調で第3戦以来のポイントゲット、それも表彰台を獲得できるかという状況だった武藤/木村組のリタイヤは本当に残念でした。」


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