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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.08.05 21:03
更新日: 2023.08.06 02:44

スーパーGT第4戦富士のGT300予選3番手のapr LC500h GTのタイム削除。最後尾スタートに

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スーパーGT | スーパーGT第4戦富士のGT300予選3番手のapr LC500h GTのタイム削除。最後尾スタートに

 8月5日、静岡県の富士スピードウェイでスーパーGT第4戦富士の公式予選が行われたが、GT300クラスで3番手につけたapr LC500h GTが、再車検の後の燃料分析検査の結果、失格となったことが公式通知No.28で通知された。3番手はGAINER TANAX GT-R、4番手にJLOC Lamborghini GT3が繰り上がることになる。

 第4戦富士のGT300クラスの公式予選でapr LC500h GTは、Q1を根本悠生が突破。Q2で小高一斗がアタックし、1分36秒775で3番手につけた。ただ公式予選の後の再車検で行われた燃料分析検査の結果、『大会特別規則第2条21.1 指定燃料以外の使用』という理由により、予選タイムが削除された。

 大会規則書第21条1.は下記のとおりだ。

1. 参加車両が使用する燃料は、GTAが販売する燃料または富士スピードウェイパドックB内ENEOSガソリンスタンドで販売される燃料が指定される。

 今回のタイム削除の理由は上記のとおり、指定された燃料以外を使用してしまったということだが、aprの金曽裕人監督は、悔しそうな表情を浮かべながら、今回の“事情”について説明してくれた。

 この日の予選でapr LC500h GTに使用された燃料は、第3戦が行われた鈴鹿での燃料だという。基本的にチームはその開催サーキットで燃料を購入し使用するが、鈴鹿で購入された燃料と富士で購入された燃料は、今までであれば色を見ても比重を見ても、違いは基本的に分からないレベルだという。

 今回、鈴鹿で購入された燃料が存在した理由は、第3戦のレース距離が短かったからだ。赤旗終了となり規定のレース距離を走り切っておらず、ほぼ全チームが燃料を余らせていた。こういった場合、多くのGT300チームでは社用車や発電機で使用したり、チームが参戦している他カテゴリーの公式セッション前の専有走行で使用したりするという。ただ今回の場合「想定以上に燃料が余っていて、まだ予選で使える分が余っていました。そこでの申し送りがしっかりできていなくて、鈴鹿の燃料を入れてしまったかたちです」と金曽監督。

 当然、aprではしっかりと富士で燃料を購入しており、規則書どおりの性状表の燃料を使っているつもりだった。見た目も違いはない。ただこういった裁定が出た以上、もし抗議した場合予選結果は暫定となり、8月6日の決勝結果も正式なものが出ない。「それは興行としても不本意ですし、ジャッジは素直に受け止めました。ただ、もう一度検査をして欲しいとお願いしました(金曽監督)」と検査を行った。

 見た目は同じガソリンだが、実は今季、GTアソシエイションでは新たに非常に詳細な燃料検査キットを導入していた。今季からスーパーGTではカーボンニュートラルフューエルがGT500クラスで導入されており、通常燃料と混ぜたりなどがないようにする検査のためのものだが、検査された数値を見ると、「まったく鈴鹿のものと同じでした」と素直に認めざるを得なかったという。

「富士のものと鈴鹿のものを見せてもらいましたが、嘘みたいにくっきり数値が出ます。今季からのCNF導入に向けてGTアソシエイションさんが高いキットを購入したのですが、その出来は素晴らしいと思いましたね」

 チームの中でしっかりと申し送りができていなかったことで、古い鈴鹿の燃料から使ってしまったことが今回のタイム削除に繋がったが、どちらも同じ無鉛ハイオクガソリンなのは変わらず、apr LC500h GTのパフォーマンスに変わりはない。最後尾からの追い上げに期待したいところだ。

 金曽監督は「真摯にミスは反省したいです。また正式結果までにお待たせしてしまった他エントラントの皆さんに申し訳なかったです。でも明日のレースは雨かもしれませんからね」と明日のレースでの逆転を期した。


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