8月29~30日、FIM世界耐久選手権(EWC)の2019-2020シーズン第3戦ル・マン24時間耐久ロードレースの決勝レースがフランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、F.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/フレディ・フォレイ/マイク・ディ・メリオ組)が優勝した。
約8カ月ぶりに再開されたEWCの1戦として行われたル・マン24時間。鈴鹿8耐やオッシャースレーベン8時間、ボルドール24時間は開催が中止されたが、延期されたル・マン24時間は無観客で行われた。
予選はYART – YAMAHA(カレル・ハニカ/マービン・フリッツ/ニッコロ・カネパ組)が平均タイム1分36秒706を記録しポールポジションを獲得した。2番手以降はBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMWモトラッド)、Suzuki Endurance Racing Team(SERT)、F.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)、ERC-Enduranceと5番手まで別メーカーのバイクが続いた。
38台が出場した決勝レースは、SERTのグレッグ・ブラックがホールショットを奪う。全車スタートを切ったが、ドゥカティ パニガーレV4 Rを駆るERC-Enduranceのランディ・ド・プニエが出遅れて19番手にポジションを下げる。
序盤にホンダの新型CBR1000RR-Rを使用するTSRホンダのマイク・ディ・メリオがトップに立ちリードを広げる。レーススタートから50分が経過すると上位陣が最初のピットインを済ませる。
ERC-Enduranceはこの時点で3位まで追い上げを見せていたが、燃料切れに見舞われ大きくタイムロス。ピットインをして27番手までポジションを落としてしまった。また、SSTクラスのチャンピオンシップリーダーであるTEAM MOTO AINが最終コーナーで転倒した。
1時間が過ぎYARTヤマハ、TSRホンダ、SERTの順でレースが進んでいく。2時間が過ぎるとNational Motosがエンジンブロー。12分程セーフティカーが導入されたが解除されレースが再開された。
この頃から雨粒が落ちてきて、2時間30分が経つとウエットコンディションに変わった。するとトップを走行していたYARTヤマハのハニカが8コーナーで転倒。ピットに戻り10分ほどでマシンを修復して28番手でコースに復帰した。
その後も雨が強くなり数台のマシンが転倒。上位を走るBMWモトラッドのケニー・フォレイも3コーナーでスリップしたが、すぐにコースに戻り3番手を守った。
3時間30分が過ぎるとTSRホンダが独走をはじめ、SERT、WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR(SRCカワサキ)と続く。4番手にVRD IGOL PIERRET EXPERIENCESがつけていたがウエット路面に足を取られて転倒してしまった。そのままレースが続き、2番手と3番手の順位が入れ替わるがTSRホンダは快走を見せる。
4時間半を過ぎたところではATLANTIC RACING TEAMが最終コーナーでハイサイド転倒。マシンがコース上に残りRAC41 CHROMEBURNERがそこに追突する。ATLANTIC RACING TEAMのマシンのタンクからガソリンが漏れるなどのアクシデントが起こり2度目のセーフティカーが導入され、30分程でレースが再開された。
レース再開後はジュリアン・ダ・コスタが転倒しERC-Enduranceはさらに順位を下げる。また、最終コーナーでSERTのブラックが転倒したがダメージはなく再スタートを切った。その後、ドライコンディションに戻りTSRホンダを先頭に2ラップ差でSRCカワサキ、3ラップ差でSERT、5ラップ差でBMWモトラッドと続いていく。