バレンティーノ・ロッシが主宰するVR46ライダーズアカデミー。このアカデミーはロッシが2014年に発足させたものだ。
MotoGP第7戦サンマリノGPでは、MotoGPクラスでフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が初優勝を達成、フランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)がMotoGPクラス初表彰台となる2位に入賞。Moto2クラスではルカ・マリーニ(SKY Racing Team VR46)が優勝、チームメイトのマルコ・ベゼッチも2位に入り、MotoGPクラス、Moto2クラス共にVR46アカデミー出身ライダーがワンツーフィニッシュを飾る活躍を見せた。
かつてイタリア人ライダーが小排気量クラス、中排気量クラスを席巻していた時代があったが、2000年過ぎから若手ライダー育成に力を入れていたスペイン人ライダーが勢力を増してきた。これに対して危機感を抱いたロッシは、イタリア人若手ライダーの育成を目指して、アカデミーを創設すると同時に、父親である元グランプリライダーのグラチアーノ・ロッシが故郷のタヴィッリアに購入した土地に、フラットトラックをメインとしたトレーニング施設のVR46モーターランチを作った。
もちろん、モーターランチはロッシ自身がトレーニングを行なうためのコースでもあるが、若いライダーたちと一緒にトレーニングすることで、ロッシ自身のモチベーションアップにもつながっており、若手ライダーたちはロッシと一緒に走ることで世界チャンピオンのレースに対する取り組み方を間近に見ることができる。
「ボクらはライダーであると同時にアスリート。人間として成長できるようにアカデミーの生徒たちをサポートしたい。彼らと自分の経験を共有できるし、ボクたちが抱えている人生全般の問題、そしてボクらの情熱について話し合うこともできる。でも、ボクも助けられているんだ。彼らと一緒にトレーニングすることで、いつまでも若いままでいられるからね」とロッシはVR46ライダーズアカデミーについて語っていた。
アカデミーは2014年に世界グランプリのMoto2とMoto3、Moto3ジュニア世界選手権、イタリア選手権に参戦する11名のライダーでスタート。モーターランチでのフラットトラックのトレーニングや、ミサノでのサーキットトレーニング、世界選手権では必須となる英会話の勉強など、幅広いカリキュラムでライダー育成を図っている。