レース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平氏がお届けする全日本ロードレース選手権ブログ。今回は、10月17~18日に行われた全日本ロードレース選手権の第4戦もてぎで取材したJSB1000クラスのホンダCBR1000RR-R JSB1000仕様について迫るブログ後編です。前編はこちらから
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エンジンは基本ノーマル仕様。高回転出力型でパワーバンドは、やや狭くフラットなトルク性能ではないようだ。そのため、ストップ&ゴーをくり返すツインリンクもてぎのようなサーキットでは車体制御、トラクション含め扱いが難しくやや不利とも言われている。トラクション向上の観点から常套手段であるエンジンマウントのシャフト径変更や締め付けトルクの変更をしている可能性は大いにあるだろう。
EGRは廃されている。
ファンネルに関して詳細は確認出来なかった。
エキゾースト、マフラーは各チームで選択が異なるようだ。
72号車(濱原颯道/Honda Dream RT 桜井ホンダ)には熱害防止の観点からドライカーボン製のカバーが装着される。
ECUに関してはヤマハ・ファクトリーやスズキ勢が使用するマレリ製(旧マニエッテイ・マレリ)ではなく、キット車として設定されているECUが使用されているようだ。マレリ製はMotoGPでも使用されているチャンネル数が多岐にわたるECUだがホンダ勢のECUはそこまでチャンネル数が多くないと言われており、その電子制御という部分でも苦労は多いようだ。マレリ製ECUはオペレーターを含めると1チームで億の価格になるとも言われており今後の導入に関して注目が集まる。ただ一部のチームでは独自のECUを開発しているという情報もある。
ECUはエンジンの補器類カバー最上部に設置されているようだ。
ミッションのギヤレシオは現状1種類のみ使用可能。レシオ違いは現在スーパーバイク世界選手権でHRCによって開発が進められているようだ。ファイナルは複数の選択が可能のようだが、ミッションケース部が専用設計となっていないため交換には時間を要するとの情報もある。クラッチに関してはまだベストな組み合わせは見つかっていないようだ。
燃料タンクは鈴鹿8耐を見据え、クイックチャージが装着されたタンクを使用。