メルセデスのフラッグシップSUV『GLS』と、中核モデル『GLE』の高性能バージョンたる各AMGモデルに、AMG 63として初めて48V電気システムと電気モーター(ISG)を搭載した新たな“63シリーズ”が登場。AMG 4MATIC+やAMG ACTIVE RIDE CONTROLなど最新のAMGテクノロジーを採用し、12月15日から発売が開始されている。
今回『GLEクーペ』を含む都合3モデルに設定された“63シリーズ”は、メルセデスAMG社が完全自社開発した最高出力612PS、最大トルク850Nmを発揮するAMG4.0リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジン“M177”を核に、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムを組み合わせる。
エンジン本体はAMGおなじみの製法となる砂型鋳造クローズドデッキのアルミニウムクランクケースに、鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせ、軽量かつ高強度なレシプロ系を構成。
シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工や、回転数が1000~3250回転の低負荷領域では2/3/5/8番の4気筒を休止するAMGシリンダーマネジメント、2基のターボチャージャーをVバンクの外側ではなく内側に配置するホットインサイドVレイアウトなど、あらゆる高効率化の技術が投入される。
そこに追加されるISGはエンジンとトランスミッションの間に配置され、最高出力21PS(16kW)、最大トルク250Nmを発生。このISGはオルタネーターとスターターの機能も兼ね、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電。低回転時にはその電力を利用して動力を補助し、アイドリングストップからの再スタートなどでは始動時の振動を抑えて快適性を向上させている。
さらにこのモーターはシフトチェンジ時にも使用され、エンジンが理想的回転数に達するまでの時間を最小限に抑えるためのアシストも行い、スムーズでタイムラグの少ないシフトチェンジを実現した。